中東情報分析

中東分析レポート(会員限定)

『中東分析レポート』は、中東の特定の問題に関し、中東調査会研究員または外部執筆者が詳細に分析したレポートです。*法人会員の企業の方は、ご担当者様にお送りしているIDとパスワードで会員ログインすることで、各サービスを閲覧・利用できます。

2021/06
No.R21-03 新たな展開を見せたパレスチナ情勢 ――変わるか、紛争の構図―― 5月10日から20日までの11日間にわたり、イスラエル軍とガザ地区の武装勢力の間での軍事衝突が続き、民間人を含め数多くの犠牲者が出ました。今次事件の背景と過去の衝突には見られなかった新たな変化の兆候について、中島協力研究員が分析しましたので、各位のご高覧に供します。

【目次】
1.今回の軍事衝突の経緯:起点は東エルサレムでの緊張
2.パレスチナの連帯行動
3.SNSでの闘争
4.人権擁護を重視する議論
5.変わる米国のイスラエル認識
6.おわりに:揺らぐ紛争の構図
2021/05
No.R21-02 米軍撤退後のアフガニスタン和平の展望 ――1989年ソ連軍撤退から何を学べるか―― 2021年4月14日、米国のバイデン大統領は、9月11日までにアフガニスタン駐留米軍を完全撤退させる方針を発表しました。9.11から20年を経て、米国が開始した対テロ戦争は大きな節目を迎えつつあります。その一方で、米軍撤退後の治安情勢の悪化が懸念されています。本稿では、米軍撤退後のアフガニスタン和平の展望について青木研究員が分析します。

【目次】
1.はじめに
2.アフガニスタン紛争の経緯
3.和平プロセスの進捗状況
4.流動化する治安情勢
5.混沌とする軍事情勢
6.今後の展望
7.おわりに:日本を含めた国際社会がとるべき政策・対応
2021/05
No.R21-01 バイデン政権発足後のイエメン戦争 1月に米国でバイデン政権が発足し、外交政策についての具体的なビジョンが次第に浮かび上がってきたことは、中東諸国の当面の地域外交における方向性にも少なからぬ影響を与えています。特にイエメン戦争については、各勢力に具体的な動きが確認できます。バイデン政権は発足前に言われたようなトランプ前政権の揺り戻しなのかといった点を含め、イエメン戦争を事例としてサウジアラビアの動向を中心に高尾研究員が 考察します。

【目次】
1.発足前に示唆されたバイデン政権の中東政策
2.発足後に示されたバイデン政権の中東政策
3.イエメン戦争の現状:米国と国内勢力の反応
4.GCC 諸国の対応とサウジによる停戦案
5.展望:政治的解決の見通し
2021/03
No.R20-14 イラン核合意を巡るイラン・米国対立と今後の展開 ~イラン国内諸派間の関係性に着目して~ 2021年1月20日にバイデン政権が誕生したことで米国によるイラン核合意(JCPOA)復帰への期待が高まりましたが、現在、その目途は立っていません。その一方で、イランは核開発の拡大を続けており、今後のJCPOAを巡る動向に注目が集まっています。今回は、JCPOAを巡るイラン・米国対立の現状と課題について、イランの観点を中心として、青木研究員が取り纏めた分析レポートを各位のご高覧に供します。

【目次】
1. はじめに
2. 近年のJCPOAを巡る動き
(1)トランプ米政権による対イラン強硬政策
(2)イランによるJCPOA履行一部停止の開始
(3)米国大統領選挙前後の動き
(4)バイデン政権誕生後の動き
3. イランが対米強硬姿勢をとる諸要因
(1)保守強硬派の影響力拡大と戦略的措置法案の成立
(2)ハーメネイー最高指導者のバランスを取った舵取り
(3)JCPOA規定の解釈
4. 膠着状態の打開に向けた注目点
5. 今後の見通し
2021/01
No.R20-13 米国バイデン政権の誕生と中東諸国 2021年1月20日、米国でジョー・バイデン氏が大統領に就任し、新政権が発足しました。トランプ前政権下、米国は核合意(JCPOA)離脱と経済制裁によるイランへの強硬政策、アフガニスタン・イラクからの駐留軍撤退決定、アラブ諸国とイスラエルとの国交正常化合意の仲介、ヒズブッラーの「テロ組織」指定等、中東地域の軍事・安全保障面に大きく関与してきました。こうした経緯を踏まえ、中東諸国はバイデン新政権の誕生をどう評価し、今後、どのような関係を構築していくつもりなのでしょうか。以上について主要国各国の動向を取りまとめましたので会員の皆様のご高覧に供します。

【目次】
1. はじめに
2. イラン:両国の歩み寄りに向け、互いの「強気の姿勢」が阻害要因
3. イスラエル:入植地問題とJCPOAを巡る対立は必至
4. サウジアラビア:米国に求めるイラン包囲網での適度なイニシアチブ
5. トルコ:厳しさを増すトルコ・米国関係
2021/01
No.R20-12 2020年中東情勢の回顧 2020年も中東では様々な紛争や衝突が続き、それらは地域の内外に大きな影響を及ぼしてきました。中東調査会として、2020年の一年間を振り返って、中東地域の基本的な姿を概観し、以下の通り取り纏めましたので各位のご高覧に供します。

【目次】
1.概観
2.注目すべき動向
(イ)イラン:米国の厳しい制裁とCOVID-19感染拡大で内外政ともに窮地に
(ロ)中東和平:イスラエル・アラブ諸国で進む国交正常化
(ハ)トルコ:流動的な情勢
(ニ)GCC:安全保障環境を左右する三極対立+イスラエル構図
(ホ)シリア:イドリブでの戦闘継続、深刻な経済悪化
(へ)アフガニスタン:米軍撤退が粛々と進む中、和平交渉が開始
(ト)イスラーム過激派:全体的な低迷、残存する脅威
(チ)イラク:新政権発足も国内治安状況改善の見通しは立たず
(リ)イエメン:内戦構図に変化が生じるも深刻なCOVID-19感染拡大
(ヌ)リビア:停戦合意と原油輸出の全面再開
(ル)アルジェリア:改憲に係る国民投票が承認
2020/11
No.R20-11 中東各国における新型コロナウイルス感染症の影響 #2 2020年10月31日時点で、世界における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の猛威は依然衰えることなく、一部諸国では第二波、第三波の感染拡大に直面しています。中東諸国においてもこの影響は中長期に及ぶことが予想され、各国は経済分野を中心に感染拡大への対策を講じています。そこで本レポートでは、COVID-19感染拡大についての初動を整理した過去のレポート(R20-04「中東各国における新型コロナウイルス感染症の影響」2020年6月)に続き、現時点での中東各国におけるCOVID-19感染拡大とその影響について整理・展望します。
2020/10
No.R20-10 イラン・中国関係の進展と今後の展望 イランが米国からの厳しい経済制裁を受ける一方、イランと中国の接近が注目を集めています。制裁に加えてCOVID-19感染拡大に喘ぐイランにとって、中国との関係強化は渡りに船といえます。他方で、中国が提唱する「一帯一路」の中東への伸張は国際社会にとって憂慮される動きでもあります。イラン・中国関係の現状、課題、及び、今後の展望について、青木研究員が分析します。

【目次】
1.はじめに
2.イラン・中国関係のこれまでの経緯
(1)両国関係の概要
(2)経済・貿易関係
(3)軍事関係
3.イラン・中国25年間包括的諸協力計画(案)の概要
4.イラン・中国接近の背景
(1)想定され得るイランの狙い
(2)想定され得る中国の狙い
5.イラン・中国間に横たわる課題と今後の展望
2020/09
No.R20-09 イスラエルとUAEの国交正常化合意 ―揺らぐアラブ連盟の対イスラエル行動原則― 2020年8月13日、イスラエル・UAE・米国は共同声明を通じて、イスラエルとUAEの国交正常化を発表しました。今般の国交正常化によって、中東域内の勢力バランスにどのような影響が見込まれるのでしょうか。本稿では、アラブ連盟諸国のイスラエルに対する行動原則の変化に着目しつつ、イスラエル・UAEが国交正常化に至った背景と各アクターの狙いを分析し、中東和平問題への影響を評価するとともに今後を展望します。

【目次】
1.揺らぐアラブ連盟諸国の行動原則
2.建前と本音の使い分け
3.国連・国際機関の傘の下での公式接触開始
4.UAEは、中東和平問題の「準当事者国」に?
5.現実感のない未来への展望
6.変容する中東和平問題をめぐる構図
2020/08
No.R20-08 中東各国におけるイスラエル・UAE国交正常化への反応 2020年8月13日、イスラエル・UAE・米国は共同声明を通じて、イスラエルとUAEの国交正常化について発表しました。これに伴い、UAE側ではイスラエルが計画していたヨルダン川西岸地区併合が停止されると伝えられ、本合意を中東和平の進展と報じる向きが見られます。また本合意の仲介役を自負するトランプ米大統領も「歴史的成果」と自画自賛しています。一方、パレスチナ側や一部諸国はUAEの行動をイスラエルや米国に利する「裏切り行為」と批判し、事実イスラエルは西岸地区併合の停止を明言せず、むしろ本合意を皮切りに他のアラブ諸国に接近を図り、自国の立場を強固なものにしようとの思惑が見られます。本稿では、イスラエル・UAEの国交正常化による地域政治への影響と、中東各国による反応を、背景や思惑等とともに整理し、今後の動向についても展望します。

【目次】
1.総論:イスラエル・UAE国交正常化による地域政治への影響
2.イスラエル
3.UAE
4.パレスチナ
5.イラン
6.トルコ
7.GCC(UAE以外)
8.エジプト・ヨルダン
9.シリア・レバノン
10.モロッコ
11.イエメン
12.イラク
2020/07
No.R20-07 コロナ禍に直面するメッカ大巡礼(ハッジ) 7月22日、サウジアラビアはイスラーム暦(ヒジュラ暦)1441年の12月を迎える予定です。同月は世界各国からムスリム(イスラーム教徒)がメッカ大巡礼(ハッジ)を行うことで知られ、例年であれば現在、メッカを領土とするサウジの各機関が巡礼者受け入れの準備を進めているタイミングです。しかし新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響を受け、サウジ政府は巡礼者の人数制限を行う等の措置を講じています。サウジにとってのメッカとハッジの位置づけを踏まえた上で、今期のハッジがどのような状況にあるのか、高尾研究員が考察します。

【目次】
1. メッカとハッジの概要
 (1)聖地としてのメッカ
 (2)宗教的義務としてのハッジ
2. サウジアラビアとメッカ
 (1)領土としてのメッカ
 (2)国家行事としてのハッジ
3. ハッジの経済的側面
 (1)巡礼者数から見るハッジ
 (2)メッカ観光として見るハッジ
4. COVID-19感染拡大下の聖地
 (1)COVID-19を受けた政府の対応
 (2)ハッジ規制の余波
2020/07
No.R20-06 イランの地域における対外政策:継続する「革命の輸出」 イランと米国の間の緊張関係が続いています。2020年1月に軍事衝突は回避されたものの、その後も、イラクやシリアなどの周辺国、及び、ペルシャ湾岸で治安事案が頻発しています。イランを取り巻く情勢の悪化は、今後の中東の不安定要因となりかねません。こうした問題意識を踏まえて、イランの地域における影響力と対外政策の現状について、イラクとアフガニスタンとの関係を中心に、イランの観点に焦点を当てて青木研究員が分析します。

【目次】
1.はじめに
2.革命体制の成立とイランの対外政策
(1)宗教的使命としての「革命の輸出」
(2)力の均衡からみる非対称戦略の採用
3.各国事例
(1)イラクの事例:新政権によるイランの影響力の排除が進む
(2)アフガニスタンの事例:駐留米軍撤退を見据えて影響力を浸透
4.結論と今後の見通し
2020/07
No.R20-05 COVID-19感染拡大とサウジ・ビジョン2030 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による影響は、経済面にとどまらず、教育・娯楽・コミュニケーションといったあらゆる分野に及んでいます。世界各国が「新しい生活様式」を模索する中、国民の生活や意識の改革に取り組んできたGCC各国の国家改革計画「ビジョン」は、COVID-19感染拡大でどのような影響を受けるのでしょうか。各国ビジョンの概要を踏まえた上で、サウジアラビアの事例を中心に高尾研究員が考察します。

【目次】
1. 国家改革計画に見る「新しい生活様式」
2. サウジにおけるCOVID-19感染拡大とその影響
3. インバウンド消費の激減と「新しい生活様式」
4. まとめと展望――2つの「新しい生活様式」は両立するのか
2020/06
No.R20-04 中東各国における新型コロナウイルス感染症の影響 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によって、中東諸国では政治・経済・社会情勢等の不安定化が懸念されています。一部諸国では、3月以降の原油価格の急落、4月23日から1カ月続いたラマダーン(断食月)、また過激派組織の再活性化といった話題がこの懸念に拍車をかけました。本レポートでは、COVID-19拡大からラマダーン月終了を経た5月末までを範囲として、各国の状況を取りまとめました。
2020/04
No.R20-03 新型コロナウイルスの流行と一進一退するアフガニスタン和平過程 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が続き、世界各地で先行きが不透明な状況にあります。こうした中、特に、長期化する紛争により保健医療体制が脆弱なアフガニスタンではCOVID-19の流行が懸念されます。支配領域を拡げるターリバーンのCOVID-19に対する解釈と対応状況、及び、今後のアフガニスタン和平過程の展望について、青木研究員が分析します。

【目次】
1.概況:COVID-19はイランから流入、現在は感染爆発が危惧される前段階
2.ターリバーンのCOVID-19に対する解釈と対応状況
3.COVID-19拡大がアフガニスタン和平過程に与える影響
4.今後の展望:一進一退する和平過程は、ターリバーンを相対的に有利な立場へ
2020/04
No.R20-02 新型コロナウイルスの感染拡大と財政問題に揺れるアルジェリア アルジェリアでは新型コロナウイルスの感染が拡大し、アフリカ大陸で最多の死者を出しています。こうした中、感染拡大防止に向けた財政負担が増大し、経済危機の只中にあります。同国における新型コロナウイルス感染拡大の要因、及び、深刻化する財政問題が政治面に及ぼす影響について、高橋研究員が分析します。

【目次】
1.感染の拡大状況
2.緊急経済対策に伴う財政負担の増大
3.アルジェリア経済を支える資源輸出収入が直面する問題
4.結び:財政問題による政治面への影響はあるか?
2020/04
No.R20-01 イランにおける新型コロナウイルス感染拡大の諸要因 イランでは新型コロナウイルスの感染拡大が続き、中東で最多の感染者数・死者数を記録しています。感染はイラン国内だけに留まらず、イランを感染源として周辺諸国に飛び火したと報じられています。イランにおける新型コロナウイルス感染拡大の諸要因と影響について、青木研究員が分析します。

【目次】
1.経緯と現状:最初の感染確認以降、感染者数は増加し収束の気配がみえない
2.新型コロナウイルス感染拡大の諸要因
3.分析から導出される結果:感染拡大には複数要因が作用した可能性が高い
4.おわりに:未曽有の人道的危機にあっても米・イラン対立は継続へ
2020/04
No.R19-14 サウジ・ビジョン2030と「女性」 サウジアラビアで2016年4月に始まった国家改革計画「サウジ・ビジョン2030」は、これまで女性に課されてきた様々な権利への規制を緩和する、開放政策としての側面が頻繁に報じられます。本レポートでは、サウジ・ビジョン2030が実際にどの程度、女性に関する規制緩和や社会進出を進めているか、またそれが同計画にとってどのような意味を持っているかについて、高尾研究員が考察します。

【目次】
1. はじめに――政治議題としての「女性」
2. アブドッラー国王治世下の女性政策
3. ビジョン2030のアピールとしての女性政策
4. 今日の労働市場における女性
5. おわりに――「女性」の持ちうる意味
2020/03
No.R19-13 アフガニスタン和平の現状と展望 ――ターリバーンの軍事・政治認識を中心に―― 2020年2月29日に、ドーハにおいて、米国・ターリバーン間の和平取引が合意されました。米国にとって最長の戦争が終わるとの期待が高まる一方、ターリバーンが再び勢力を伸ばすのではないかとの懐疑的な見方も存在します。アフガニスタン和平の現状と展望について、ターリバーンの観点を中心に、青木研究員が分析します。
2020/03
No.R19-12 イラン第11期国会議員選挙の結果とその影響 ――有権者の投票行動に着目して―― 2020年2月21日、イランで国会議員選挙が実施されました。米国・イラン間の緊張が高まる中、改革派が退潮し、保守派が躍進したと報じられています。今回の選挙結果は、今後のイランの内政、外交、経済にどのような影響をもたらすのでしょうか。有権者の投票行動の観点から、青木研究員が分析します。


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