中東情報分析

中東分析レポート(会員限定)

『中東分析レポート』は、中東の特定の問題に関し、中東調査会研究員または外部執筆者が詳細に分析したレポートです。*法人会員の企業の方は、ご担当者様にお送りしているIDとパスワードで会員ログインすることで、各サービスを閲覧・利用できます。

2020/09
No.R20-09 イスラエルとUAEの国交正常化合意 ―揺らぐアラブ連盟の対イスラエル行動原則―2020年8月13日、イスラエル・UAE・米国は共同声明を通じて、イスラエルとUAEの国交正常化を発表しました。今般の国交正常化によって、中東域内の勢力バランスにどのような影響が見込まれるのでしょうか。本稿では、アラブ連盟諸国のイスラエルに対する行動原則の変化に着目しつつ、イスラエル・UAEが国交正常化に至った背景と各アクターの狙いを分析し、中東和平問題への影響を評価するとともに今後を展望します。

【目次】
1.揺らぐアラブ連盟諸国の行動原則
2.建前と本音の使い分け
3.国連・国際機関の傘の下での公式接触開始
4.UAEは、中東和平問題の「準当事者国」に?
5.現実感のない未来への展望
6.変容する中東和平問題をめぐる構図
2020/08
No.R20-08 中東各国におけるイスラエル・UAE国交正常化への反応2020年8月13日、イスラエル・UAE・米国は共同声明を通じて、イスラエルとUAEの国交正常化について発表しました。これに伴い、UAE側ではイスラエルが計画していたヨルダン川西岸地区併合が停止されると伝えられ、本合意を中東和平の進展と報じる向きが見られます。また本合意の仲介役を自負するトランプ米大統領も「歴史的成果」と自画自賛しています。一方、パレスチナ側や一部諸国はUAEの行動をイスラエルや米国に利する「裏切り行為」と批判し、事実イスラエルは西岸地区併合の停止を明言せず、むしろ本合意を皮切りに他のアラブ諸国に接近を図り、自国の立場を強固なものにしようとの思惑が見られます。本稿では、イスラエル・UAEの国交正常化による地域政治への影響と、中東各国による反応を、背景や思惑等とともに整理し、今後の動向についても展望します。

【目次】
1.総論:イスラエル・UAE国交正常化による地域政治への影響
2.イスラエル
3.UAE
4.パレスチナ
5.イラン
6.トルコ
7.GCC(UAE以外)
8.エジプト・ヨルダン
9.シリア・レバノン
10.モロッコ
11.イエメン
12.イラク
2020/07
No.R20-07 コロナ禍に直面するメッカ大巡礼(ハッジ)7月22日、サウジアラビアはイスラーム暦(ヒジュラ暦)1441年の12月を迎える予定です。同月は世界各国からムスリム(イスラーム教徒)がメッカ大巡礼(ハッジ)を行うことで知られ、例年であれば現在、メッカを領土とするサウジの各機関が巡礼者受け入れの準備を進めているタイミングです。しかし新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響を受け、サウジ政府は巡礼者の人数制限を行う等の措置を講じています。サウジにとってのメッカとハッジの位置づけを踏まえた上で、今期のハッジがどのような状況にあるのか、高尾研究員が考察します。

【目次】
1. メッカとハッジの概要
 (1)聖地としてのメッカ
 (2)宗教的義務としてのハッジ
2. サウジアラビアとメッカ
 (1)領土としてのメッカ
 (2)国家行事としてのハッジ
3. ハッジの経済的側面
 (1)巡礼者数から見るハッジ
 (2)メッカ観光として見るハッジ
4. COVID-19感染拡大下の聖地
 (1)COVID-19を受けた政府の対応
 (2)ハッジ規制の余波
2020/07
No.R20-06 イランの地域における対外政策:継続する「革命の輸出」イランと米国の間の緊張関係が続いています。2020年1月に軍事衝突は回避されたものの、その後も、イラクやシリアなどの周辺国、及び、ペルシャ湾岸で治安事案が頻発しています。イランを取り巻く情勢の悪化は、今後の中東の不安定要因となりかねません。こうした問題意識を踏まえて、イランの地域における影響力と対外政策の現状について、イラクとアフガニスタンとの関係を中心に、イランの観点に焦点を当てて青木研究員が分析します。

【目次】
1.はじめに
2.革命体制の成立とイランの対外政策
(1)宗教的使命としての「革命の輸出」
(2)力の均衡からみる非対称戦略の採用
3.各国事例
(1)イラクの事例:新政権によるイランの影響力の排除が進む
(2)アフガニスタンの事例:駐留米軍撤退を見据えて影響力を浸透
4.結論と今後の見通し
2020/07
No.R20-05 COVID-19感染拡大とサウジ・ビジョン2030新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による影響は、経済面にとどまらず、教育・娯楽・コミュニケーションといったあらゆる分野に及んでいます。世界各国が「新しい生活様式」を模索する中、国民の生活や意識の改革に取り組んできたGCC各国の国家改革計画「ビジョン」は、COVID-19感染拡大でどのような影響を受けるのでしょうか。各国ビジョンの概要を踏まえた上で、サウジアラビアの事例を中心に高尾研究員が考察します。

【目次】
1. 国家改革計画に見る「新しい生活様式」
2. サウジにおけるCOVID-19感染拡大とその影響
3. インバウンド消費の激減と「新しい生活様式」
4. まとめと展望――2つの「新しい生活様式」は両立するのか
2020/06
No.R20-04 中東各国における新型コロナウイルス感染症の影響新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によって、中東諸国では政治・経済・社会情勢等の不安定化が懸念されています。一部諸国では、3月以降の原油価格の急落、4月23日から1カ月続いたラマダーン(断食月)、また過激派組織の再活性化といった話題がこの懸念に拍車をかけました。本レポートでは、COVID-19拡大からラマダーン月終了を経た5月末までを範囲として、各国の状況を取りまとめました。
2020/04
No.R20-03 新型コロナウイルスの流行と一進一退するアフガニスタン和平過程新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が続き、世界各地で先行きが不透明な状況にあります。こうした中、特に、長期化する紛争により保健医療体制が脆弱なアフガニスタンではCOVID-19の流行が懸念されます。支配領域を拡げるターリバーンのCOVID-19に対する解釈と対応状況、及び、今後のアフガニスタン和平過程の展望について、青木研究員が分析します。

【目次】
1.概況:COVID-19はイランから流入、現在は感染爆発が危惧される前段階
2.ターリバーンのCOVID-19に対する解釈と対応状況
3.COVID-19拡大がアフガニスタン和平過程に与える影響
4.今後の展望:一進一退する和平過程は、ターリバーンを相対的に有利な立場へ
2020/04
No.R20-02 新型コロナウイルスの感染拡大と財政問題に揺れるアルジェリアアルジェリアでは新型コロナウイルスの感染が拡大し、アフリカ大陸で最多の死者を出しています。こうした中、感染拡大防止に向けた財政負担が増大し、経済危機の只中にあります。同国における新型コロナウイルス感染拡大の要因、及び、深刻化する財政問題が政治面に及ぼす影響について、高橋研究員が分析します。

【目次】
1.感染の拡大状況
2.緊急経済対策に伴う財政負担の増大
3.アルジェリア経済を支える資源輸出収入が直面する問題
4.結び:財政問題による政治面への影響はあるか?
2020/04
No.R20-01 イランにおける新型コロナウイルス感染拡大の諸要因イランでは新型コロナウイルスの感染拡大が続き、中東で最多の感染者数・死者数を記録しています。感染はイラン国内だけに留まらず、イランを感染源として周辺諸国に飛び火したと報じられています。イランにおける新型コロナウイルス感染拡大の諸要因と影響について、青木研究員が分析します。

【目次】
1.経緯と現状:最初の感染確認以降、感染者数は増加し収束の気配がみえない
2.新型コロナウイルス感染拡大の諸要因
3.分析から導出される結果:感染拡大には複数要因が作用した可能性が高い
4.おわりに:未曽有の人道的危機にあっても米・イラン対立は継続へ
2020/04
No.R19-14 サウジ・ビジョン2030と「女性」サウジアラビアで2016年4月に始まった国家改革計画「サウジ・ビジョン2030」は、これまで女性に課されてきた様々な権利への規制を緩和する、開放政策としての側面が頻繁に報じられます。本レポートでは、サウジ・ビジョン2030が実際にどの程度、女性に関する規制緩和や社会進出を進めているか、またそれが同計画にとってどのような意味を持っているかについて、高尾研究員が考察します。

【目次】
1. はじめに――政治議題としての「女性」
2. アブドッラー国王治世下の女性政策
3. ビジョン2030のアピールとしての女性政策
4. 今日の労働市場における女性
5. おわりに――「女性」の持ちうる意味
2020/03
No.R19-13 アフガニスタン和平の現状と展望 ――ターリバーンの軍事・政治認識を中心に――2020年2月29日に、ドーハにおいて、米国・ターリバーン間の和平取引が合意されました。米国にとって最長の戦争が終わるとの期待が高まる一方、ターリバーンが再び勢力を伸ばすのではないかとの懐疑的な見方も存在します。アフガニスタン和平の現状と展望について、ターリバーンの観点を中心に、青木研究員が分析します。
2020/03
No.R19-12 イラン第11期国会議員選挙の結果とその影響 ――有権者の投票行動に着目して――2020年2月21日、イランで国会議員選挙が実施されました。米国・イラン間の緊張が高まる中、改革派が退潮し、保守派が躍進したと報じられています。今回の選挙結果は、今後のイランの内政、外交、経済にどのような影響をもたらすのでしょうか。有権者の投票行動の観点から、青木研究員が分析します。
2020/02
No.R19-11 ポスト・カーブース体制のオマーンに求められる統治機構改革2020年1月、半世紀に渡ってオマーンを統治してきたカーブース国王が逝去しました。長期政権が続いた国では指導者の交代により大きな政治変化が起きることが多いですが、オマーンは今後どのような変化を迎えることになるのでしょうか。オマーンが直面する課題と統治機構改革の見通しについて、村上拓哉協力研究員が分析しました。
2020/02
No.R19-10 JCPOAのゆくえ#2:破綻過程の進展とイランの現況米国によるJCPOA離脱と制裁の再開及びその後の政策は、過去2年にわたり、イランのみならず国際社会に大きな影響を与えてきました。そして2020年1月、イランが発表したJCPOA一部履行停止措置第5弾に対し、E3が紛争解決メカニズムを発動させたことで相互エスカレーションの構図が出来上がり、JCPOAの存続が危ぶまれる事態となりました。これに加え、同じく1月に発生したソレイマーニー司令官の殺害による一時的なイラン・米国間の緊張の高まりやウクライナ機撃墜事件の影響等、イランを取り巻く環境は更に厳しいものとなっています。本件について、近藤協力研究員がこれまでの主要な動きをイランの内部論理を踏まえて整理・分析し、今後の展望について考察します。
2020/02
No.R19-09 サウジアラビアの観光政策における課題と展望2019 年9月、これまで海外からの観光客を制限してきたサウジアラビアで、観光査証の発給が開始されました。これを機に、日本でもサウジ渡航への関心が高まっています。本レポートでは、サウジが観光政策を進める背景や課題などについて、高尾研究員が考察します。
2020/02
No.R19-08 2019年中東情勢の回顧2019年も中東では様々な紛争や衝突が続き、それらは地域の内外に大きな影響を及ぼしてきました。中東調査会として、2019年の一年間を振り返って、中東地域の基本的な姿を概観し、以下の通り取りまとめました。
2019/12
No.R19-07 2019 年 チュニジア 大統領・議会選挙―― 非主流派の勝利、続く党派対立2019年9月から10月にかけて、チュニジアでは大統領選挙と議会選挙が行われ、大統領には政治経験のないカイス・サイードが当選し、議会選挙では無名の政党が多くの議席を獲得しました。この結果は、既存の政治勢力が負け、非主流派が勝利したという意味で、驚きを持って受け止められました。今回の選挙がチュニジア政治でどのような意味を持つのか、今後の見通しを含めて、当会の金谷研究員が分析しました。
2019/10
No.R19-06 GCC 各国の 「ビジョン」エネルギー輸出に依存した財政、若年層に偏った人口構造、外国人を多く抱える労働市場といった共通点を持つGCC諸国は、おのずと類似の課題を抱えてきました。これを受けて、現在各国が経済プロジェクト「ビジョン」に取り組んでいます。各国の「ビジョン」は何を目指し、現時点でどのような成果を上げているのでしょうか。本件について、高尾研究員が基本情報と各国の特徴について紹介します。
2019/09
No.R19-05 アラブ・ボイコットの運用状況近年、中東和平の趨勢が不明瞭な中で、イスラエルとアラブ諸国、特に湾岸諸国の間で経済や安全保障の面で関係強化の動きが見られます。これと並行し、近年日本もイスラエルと経済関係を深めていますが、アラブ・ボイコットに対する日本企業の懸念は払拭されていません。アラブ・ボイコットはイスラエルのみならず、アラブ諸国で活動する日本企業にも大きく影響するため、本稿では、その近年の動向につき西舘研究員が分析します。
2019/08
No.R19-04 イラン核合意を巡るイランの強硬姿勢 ~国内的要因を中心とした背景と諸相~2018年5月、米国がイラン核合意から単独で離脱し、イランに対して「最大の圧力」政策の名の下に非常に厳しい経済制裁を科しています。他方、2019年7月、イランは合意の履行一部停止に踏み切りました。イラン側の最近の動きは、更なる孤立を自ら招きかねない行為に見えますが、イランの立場から考えると別の事情が見えてきます。青木研究員が問題の背景とともに分析します。

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