中東情報分析

イスラーム過激派モニター(会員限定)

『イスラム過激派モニター』は、「イスラーム国」やアル=カーイダ等のイスラーム過激派諸派に関して、これまで「中東かわら版」を通じて発行していた内容により詳細な分析を加えたレポートです。

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2022/05
No.M22-01 2022年1号 ヒジュラ暦1443年のラマダーン月と「イスラーム国」2022年4月2日夜に始まったヒジュラ暦1443年のラマダーン月が5月1日に終わりを迎えた。同期間については、宗教上義務とされる「善行」が奨励されることから過激諸派派が活発化するとの言説が広く知られている。今期のラマダーン月では、とりわけ「イスラーム国」(IS)の活発化を伝える報道も見られた。これについて、概要と背景を確認する。

【目次】
1. ラマダーン月と過激派
2. 「イスラーム国」各州の戦果
3. 作戦「2名のシャイフの報復攻撃」の影響
4. 武装活動以外のラマダーン月とそれが示すもの
2022/03
No.M21-19 2021年19号 「イスラーム国サヘル州」の誕生とサヘル地域情勢の展望 2022年3月21日、「イスラーム国(IS)」の新設州「サヘル州」名義の声明が発出された。同州は、これまで「大サハラのイスラーム国」(ISGS)の名で活動し、「西アフリカ州」名義で戦果を発信してきた。現在、ISGSはサヘル州としての戦果を積極的にアピールしている。こうした状況下、ISGSとアル=カーイダ勢力の活動拠点があるマリでは、2013年より軍事作戦を実施してきたフランスが部隊撤退を発表する一方、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」が治安維持に乗り出した。本稿では、サヘル州の誕生の背景や、ワグネルの介入がサヘル地域情勢に与える影響について検討する。

【目次】
1. サヘル州の新設
2. フランス軍のマリ撤退とワグネルのマリ展開
3. 今後の展望
2022/03
No.M21-18 2021年18号 「イスラーム国」新カリフに対する各「州」の忠誠表明 2022年3月10日、「イスラーム国」(IS)はアブー・ハサンの新カリフ就任を発表した。これを受けて同派の地域支部(「州」)は各々彼に対する忠誠の誓い(バイア)の儀礼を行い、インターネット上で公開した。すでに同派の支部として活動している各「州」の忠誠表明は儀礼的意味合いも含んだルーチンと言え、この行為自体が何かしら決定的な意味を持つわけではない。一方、戦闘員が士気や武力を誇示する機会でもあることを考慮すれば、バイアは各「州」の状況を観察する材料ともなる。
2022/03
No.No.21-17 2021年17号 「イスラーム国」の新首領にアブー・ハサン・ハーシミー・クラシー 2022年3月10日、「イスラーム国」(IS)の広報部門・フルカーン機構は、「ある者たちはアッラーとの誓いを果した」(クルアーン部族連合章23節、12分56秒)と題するアブー・ウマル・ムハージル公式報道官の音声演説を発信し、アブー・ハサン・ハーシミー・クラシーが「信徒の長」すなわち「カリフ」に任命されたと発表した。2月3日に米軍の軍事作戦でISの自称カリフ、アブー・イブラーヒーム・クラシーが殺害されたが、ISは本件に関して1カ月以上声明を出してこなかった。本声明によって、ISはアブー・イブラーヒーム・クラシーの死亡を認めたことになる。また、2019年10月から公式報道官であったアブー・ハムザ・クラシーも死亡したことを明らかにした。
 本稿は、公式報道官声明の内容を要約した上で、最近のISの動態の分析を踏まえ、新指導者(カリフ)の任命が今後ISに影響を与えうるのか考察する。

【目次】
1.公式報道官声明の要約
2.新カリフの任命で何が変わるか
2022/01
No.No.21-16 2021年16号 「イスラーム国」がハサカ市のグワイラーン刑務所を襲撃 2021年1月20日、シリア北東部のハサカ市グワイラーン地区で、多数の「イスラーム国」戦闘員が工業高校刑務所(以下、グワイラーン刑務所)を襲撃し、刑務所を管理するクルド人主体武装組織「シリア民主軍」と戦闘になった。襲撃に加わった戦闘員の数は200人とも言われる。同刑務所には「イスラーム国」構成員約3500人(戦闘員、妻、子ども。外国人を含む)が収容されており、襲撃により多くの構成員が脱獄したと報じられた。
 今回の事件は、「イスラーム国」メンバーの脱獄や、戦闘に伴う地元住民の避難が起きたため、各種メディアが大きく報じた。近年、衰退が著しいシリアの「イスラーム国」にとって、今回の作戦は大きな戦果と言える。本稿は、まずグワイラーン刑務所のある北東部の現状を概説し、今次襲撃が「イスラーム国」の現状においてどのような意味を持つのか考察する。

【目次】
1.はじめに
2.シリア北東部の現状
3.シリアの「イスラーム国」が復活?
2022/01
No.M21-15 2021年15号 アフリカ諸国のクーデタとイスラーム過激派の動向 2022年1月25日、ブルキナファソの首都ワガドゥグで起こったクーデタで、軍部が大統領を拘束したことが報じられた。2021年以降、アフリカ諸国では軍部による政権掌握が相次ぎ、「クーデタの再来」が指摘されている。またこれらの中には、今回のブルキナファソのように、政府によるイスラーム過激派対策への不満がクーデタを引き起こしたと報じられるケースもある。実際にイスラーム過激派の存在がどうクーデタの遠因になっているかは各国の内政事情に依るところが大きいが、ここでは過激諸派の活動から読み取れることを整理したい。

【目次】
1. 西アフリカにおける過激諸派の分布
2. 西アフリカ諸国のクーデタとの関係
3. 暫定的結論と展望
2021/11
No.M21-14 2021年14号 イスラーム国中央アフリカ州がウガンダの自爆攻撃を主張 2021年11月16日、ウガンダ首都カンパラで国会議事堂や中央警察署を狙った自爆テロが起き、現時点で3人が死亡し、30人以上が負傷したと報道された。同日、「イスラーム国中央アフリカ州」が攻撃を主張する犯行声明を発出した。同組織は10月23日のカンパラのレストラン爆破も主張していた。「中央アフリカ州」を名乗っているのは、コンゴ民主共和国の東部で活動するウガンダの反政府イスラーム勢力「民主同盟軍(ADF」 である。
 本稿では、カンパラでの自爆攻撃に関する犯行声明を分析し、今後の展望としてウガンダや周辺諸国の過激派動向について検討する。


【目次】
1. 中央アフリカ州の犯行声明
2. 今後の展望
2021/10
No.M21-13 2021年13号 イスラーム国中央アフリカ州がウガンダのレストラン爆破を主張 2021年10月23日、ウガンダ首都カンパラのレストランで爆発が起き、現時点で2人が死亡したとの報道がある。翌10月24日、「イスラーム国中央アフリカ州」が攻撃を主張する犯行声明を発出した。同州はウガンダの隣国コンゴ民主共和国の東部を拠点にしており、これまでウガンダ国内で活動していなかった。
 本稿では、まずコンゴ民拠点の中央アフリカ州の組織概要や活動地域を整理する。次に、カンパラ攻撃に関する犯行声明を分析する。最後に今後の展望として、ウガンダでの過激派の動向について検討する。

【目次】
1. コンゴ民拠点の中央アフリカ州
2. カンパラ攻撃に関する中央アフリカ州の犯行声明
3. 今後の展望
2021/10
No.M21-12 2021年12号 ターリバーン統治下の「イスラーム国」 レポート第8号(M21-08「「イスラーム国」がアフガニスタン・カーブル空港で自爆攻撃」)で述べたように、アフガニスタンにおける米軍の撤退及びターリバーンの全土制圧によって、同国を活動拠点としてきた武装組織「イスラーム国」(IS)の「ホラーサーン州」の伸長が懸念されてきた。本稿では、実際にホラーサーン州の武装活動が活発化しているのかどうかを、ISの週刊機関紙『ナバウ』の戦果報告から説明したい。

【目次】
1. ホラーサーン州の戦果状況
2. ホラーサーン州の活動分布
3. 今後注目すべき点
2021/09
No.M21-11 2021年11号 フランスがサヘル地域の「イスラーム国」の首領殺害を発表 2021年9月16日、フランスのマクロン大統領は、フランス軍がサヘル地域で活動する「イスラーム国」の首領、アブー・ワリード・サフラーウィーを殺害した旨を発表した。サフラーウィーは2015年に「イスラーム国」に忠誠を誓い、彼が率いる「大サハラのイスラーム国」(ISGS)はマリやニジェール、ブルキナファソで活動し、アル=カーイダ勢力と並び、上記3カ国にとって治安上の脅威となっている。
 本稿では、まずISGSの組織概要を整理する。次に、ISGS幹部が相次いで殺害・拘束されている状況を確認する。最後に今後の展望として、サフラーウィーの死去がサヘル地域の治安情勢に及ぼす影響を検討する。

1.サフラーウィーとISGSの誕生
2.ISGS指導部の相次ぐ無害化
3.今後の展望
2021/09
No.M21-10 2021年10号 「9.11」20周年にみるアル=カーイダの没落 ――アイマン・ザワーヒリー新作の分析―― 2021年9月11日は、米国同時多発テロ事件の20周年にあたる日であった。アフガニスタンでターリバーンが全土を制圧し、欧米諸国に対するジハードの勝利が宣言された直後に「9.11」20周年が到来し、ターリバーンと近い関係にあり、かつ「9.11」を実行したアル=カーイダ(AQ)がどのような反応を示すか注目されていた。そして実際に、9月11日近辺にAQの首領アイマン・ザワーヒリー名義の文書と演説動画がAQ広報部門「サハーブ広報製作機構」から発表された。本稿はこの2つの発信物を分析し、現在、AQがイスラーム過激派の世界でどのような影響力を持ちうるのか考察する。
1.ザワーヒリー名義の文書・演説の要旨
2.分析:AQ総司令部の失敗
3.結論
2021/09
No.M21-09 2021年9号 アル=カーイダ総司令部がターリバーンの「完全独立」を祝福 8月31日、米軍がアフガニスタンからの撤収を終え、ターリバーンが同国の「完全独立」を宣言したことを受けて、アル=カーイダ(AQ)総司令部が祝福声明を以下概要の通り発出した。
(中略)
 声明は、世界のムスリムを鼓舞し、「西洋」「アメリカ」「イスラエル」の抑圧を打ち倒すよう呼びかけるという、AQらしいものだと言える。一方で8月15日、カーブル制圧のタイミングで他の多くの過激派組織(AQ関連組織でさえ)が声明を発出したのに対し、なぜAQ総司令部の声明発出がこのタイミングとなったのかは特徴的だ。
2021/08
No.M21-08 2021年8号 「イスラーム国」がアフガニスタン・カーブル空港で自爆攻撃2021年8月26日夜、アフガニスタンのカーブル国際空港で爆発が起き、米兵13名を含む数60名が死亡した(数字は本稿執筆時)。これに関して、アフガニスタンで活動する「イスラーム国」(IS)のホラーサーン州が以下概要の通り犯行声明を発表した。

(中略)

被害の規模の大きさもさることながら、アフガニスタン情勢の不安定化を受け、過激派の活発化が懸念されている中で、IS・ホラーサーン州としては極めて分かりやすい形で自派のプレゼンスを示すことに成功したと言える。
2021/08
No.M21-07 2021年7号 ターリバーンのアフガニスタン制圧とイスラーム過激派全体への影響に関する考察 8月15日、ターリバーンが首都カーブルの大統領府を占領し、アフガニスタン・イスラーム共和国が崩壊した。アフガニスタンのほぼ全土が再びイスラーム過激派・ターリバーンの支配下に置かれたことを受け、国際社会では同国が「テロの温床」になるのではという懸念が広がっている。テロの温床になるとは、この場合、ターリバーンがアフガニスタンを支配することによって同国内でテロ活動が活発化するという懸念を意味すると思われる。これに加えて、ターリバーンのアフガニスタン制圧を受けてアフガン国外でイスラーム過激派諸派がテロ活動を増加させるか否かという点も考察すべきだろう。したがって本稿は上記2点について、イスラーム過激派全体の動向を踏まえて分析する。ただし、アフガニスタン情勢は急速に変化しているため、本稿執筆時点での事実にもとづく分析であることには留意を要する。

1.イスラーム過激派諸派の反応:AQ系組織は称賛、ISは批判
2.ターリバーンのアフガニスタン制圧によるイスラーム過激派諸派への影響
3.おわりに
2021/08
No.M21-06 2021年6号 「イスラーム国」過去1年間の戦果「イスラーム国」(IS)はオンライン週刊誌『ナバウ』299号(2021年8月12日付)で、過去1年間の戦果を報告した。本稿ではその内容をもとに、地域別の、また過去と比べた同派の動向について確認する。
2021/08
No.M21-05 2021年5号 州都制圧後のターリバーンアフガニスタンでは、米軍撤収(8月31日期限)と並行してターリバーンが支配地域を拡大し、8月13日時点で全34州の内13の州都を制圧する等、その猛攻ぶりが注目を集めている。これに伴い、制圧地域の一部ではターリバーンが女性に外出禁止やヒジャーブ着用義務を課す等、1990年代の同派の政権時代を思い起こさせる統治を再開したと報じられる。一方、ターリバーン側は州都制圧後の統治について――同派の自己正当化にとっては不可欠な要素であるにもかかわらず――一切説明していない。この齟齬をどう捉えればよいのかについて考えたい。
2021/08
No.M21-04 2021年4号 イラク国内の電力不足を誇る「イスラーム国」2020年末より、イラクでは「イスラーム国」(IS;イラク州)が「経済戦争」と称して、主な活動範囲であるディヤーラー、サラーフッディーン、キルクークの三県で送電塔の破壊を続けてきた。そしてこの成果とばかりに、2021年8月3日に『電力枯渇』と題した映像を配信し、国内の電力不足に対応できていないカージミー政権の失政をはやし立てた。ただし、これをもってイラクでの同組織の巻き返しに結びつけるのは、やや早計だろう。
2021/06
No.M21-03 2021年3号 サヘル地域のイスラーム過激派:フランスのバルカン作戦終了発表への反応 2021年6月10日、フランスのマクロン大統領はサヘル地域でのイスラーム過激派掃討作戦「バルカン」の終了を発表した。これを受け、「イスラーム的マグリブのアル=カーイダ」(AQIM)の指導者ユースフ・アンナービーは6月20日に演説を発表し、同作戦終了の発表に関する反応を示した。本稿では、バルカン作戦終了の背景や同作戦終了の発表に対する過激派の反応を考察し、サヘル地域の過激派の動向を含む今後の展望を検討する。

【目次】
1. サヘル地域における軍事作戦とバルカン作戦終了の背景
2. バルカン作戦終了の発表に対する過激派の反応
3. 今後の展望
2021/05
No.M21-02 2021年2号 ヒジュラ暦1442年のラマダーン月と過激派4月13日に始まったヒジュラ暦1442年のラマダーン月が、各国概ね5月12日に終わりを迎えた。ラマダーン月に関しては、ムスリム(イスラーム教徒)にとって聖なる月であり、同期間に行った善行は通常の数倍から十倍の功徳があるとの理解から、過激派の武装活動(彼らにとっての善行)が活発化するという言説が根強く見られる。一方、近年ではラマダーン月に乗じた広報活動が目立たず、逆にラマダーン月を通して過激諸派の停滞ぶりが露呈する場合も少なくない。これを念頭に、今期のラマダーン月における動向を確認する。
2021/04
No.M21-01 2021年1号 犯行声明から見るイラク・シーア派民兵の動向現在、イラク政府は「イスラーム国」(IS)による被害からの復興を重要課題の一つに掲げている。3月上旬のヤジーディー教徒生存者法 の議会での可決や、ローマ教皇フランシスコのイラク訪問は、ポストIS期のムードを国内に醸成する出来事として報じられ、実際にISによる活動は停滞していると言ってよい。一方、この隙間を縫うように「シーア派民兵」と総称される勢力の活動についての報道が目立つ。本稿では、最近のシーア派民兵の動向を犯行声明から素描し、その特徴や影響について検討する。


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