中東分析レポート(会員限定)
アルジェリアが目指すナイジェリアとの天然ガス協力の課題 ――モロッコとの競合とサヘル地域情勢の影響――
No.R25-01 アルジェリアが目指すナイジェリアとの天然ガス協力の課題 ――モロッコとの競合とサヘル地域情勢の影響――
アルジェリアでは、2024年の大統領選挙で再選したタブーン大統領が政治的安定性を維持するため、資源収入を財源にした、ばらまき政策を実施しています。同国の資源収入はウクライナ戦争下で急増しました。今年1月にロシアからウクライナ経由の欧州向けガス輸出が停止する中、アルジェリアのガス供給国としての役割が更に期待されています。ただ周辺の地域情勢が、アルジェリアが進めるナイジェリアとの天然ガス協力の障壁となっています。アルジェリアの天然ガス政策と地域情勢の関連性について、高橋主任研究員が分析し、各位のご高覧に供します。
【目次】
1. はじめに
2. タブーン政権のばらまき政策
3. ウクライナ戦争下で増加したアルジェリアの資源収入
(1)ウクライナ戦争による資源高とガス輸出の増加
(2)イタリア向け輸出の増加と新たな販路先
4. アルジェリア・ナイジェリアとの天然ガス協力への期待
5. モロッコとの競合とサヘル地域の治安悪化の影響
(1)ガスパイプライン構想でのモロッコとの競合
(2)サヘル地域の治安悪化
6. 展望:アルジェリア・ナイジェリアの天然ガス協力の行方