中東分析レポート(会員限定)
GCC・トルコ関係 ――「アラブの春」以降の対立の清算と展望――
No.R22-02 GCC・トルコ関係 ――「アラブの春」以降の対立の清算と展望――
4月28日のエルドアン・トルコ大統領によるサウジアラビア訪問は、「アラブの春」以降の一部GCC諸国とトルコとの対立、また2018年のジャマール・カショギ氏殺害事件で冷え切ったサウジ・トルコ関係の「雪解け」を象徴する出来事として、日本でも広く報じられました。本レポートでは、GCC・トルコ関係の推移を踏まえつつ、近年に見られた同関係の変化について高尾研究員が展望し、各位のご高覧に供します。
【目次】
1. 2021年以降のGCC・トルコ関係
(1) ウラー合意の意義
(2) 各国の対トルコ関係改善に向けた動き
2. トルコから見た対GCC関係の推移
(1) 20世紀:直接的な利害共有は少ない、関係維持が目的の相手として
(2) 21世紀:「エルドアン大統領のトルコ」から経済危機へ
3. GCCから見た対トルコ関係の推移
(1) 域内競合国としてのトルコ
(2) カショギ事件の例外性
(3) フランス:サウジ・トルコ関係を測る変数として
4. 結論と展望:関係改善に向けた双方の思惑
(1) サウジは「トルコ側の歩み寄り」とすることに成功
(2) トルコの「新オスマン主義」外交には影響なしか