中東情報分析

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アラビア半島のアル=カーイダはどこで何をしてるのか

No.M22-20 アラビア半島のアル=カーイダはどこで何をしてるのか

2022年8月、米国がアル=カーイダ(AQ)の首領アイマン・ザワーヒリーの殺害を発表してから約5カ月がたった。この間、AQが新指導者を発表するでも、各地のAQ系武装組織が弔意や米国への復讐を発信するでもなく時間が過ぎている。ソマリアのシャバーブは依然として積極的な武装活動を展開し、西アフリカの「イスラームとムスリム支援団」(JNIM)もフランス軍の撤退を機に伸張を見せている。一方で「イスラーム的マグリブのアル=カーイダ」(AQIM)や「インド亜大陸のアル=カーイダ」(AQIS)は武装活動がほとんど報告されないが、だからといってそのことがザワーヒリーの殺害発表による影響かというとそうではないだろう。同発表が各地のAQ系勢力の活動に与えた影響は、良きにつけ悪しきにつけ現時点でほとんど見当たらず、諸派の動向はすぐれてローカルな文脈に依存しているといってよいのが現状だ。このことを前提に、本稿は2022年に比較的目立った活動転換を見せた「アラビア半島のアル=カーイダ」(AQAP)の動向に着目したい。

【目次】
1. AQAPの戦場
2. AQAPの標的
3. 8月の転換をどう見るか


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