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2022年5号 JNIMがマリ首都郊外の軍基地を攻撃、ワグネルをめぐる過激派動向
No.M22-05 2022年5号 JNIMがマリ首都郊外の軍基地を攻撃、ワグネルをめぐる過激派動向
2022年7月22日、マリの首都バマコ郊外のカティで軍基地を標的とした攻撃が起き、現時点で8人が死傷したと報道された。翌23日、アル=カーイダ勢力の「イスラームとムスリム支援団(JNIM)」は本攻撃に関する犯行声明と殉教志願者の画像を公式広報機関「ザッラーカ機構」を通じて発表した。声明には、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」と、同社に治安維持を要請したマリ政府を非難する内容が含まれていた。フランスがマリから軍撤収を進める状況下、ワグネルがマリのイスラーム過激派の活動を刺激する存在となっている。
本稿では、JNIMの軍基地攻撃に関する犯行声明を分析し、展望として、ワグネルをめぐるJNIMと「イスラーム国(IS)サヘル州」の動向について検討する。
【目次】
1. JNIMの犯行声明
2. 展望:ワグネルをめぐるJNIMとISサヘル州の動向