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2020年13号 マリの囚人解放に関するJNIMの声明

No.M20-13 2020年13号 マリの囚人解放に関するJNIMの声明

 2020年10月14日、「イスラームとムスリム支援団(JNIM)」はマリの囚人解放に関する声明を公式広報機関「ザッラーカ機構」を通じて発表した。この背景として、マリ政府が10月4日にイスラーム過激派の囚人約200人を釈放したのを受け、JNIMは10月8日に拘束中の外国人やマリ人の人質らを解放したことがある。一方、今般の囚人解放に関して、JNIMのザッラーカ機構以外の発信主体も声明を発出したことで、公式広報機関と非公式広報機関が互いに対立する側面が確認された。
 本稿では、まずJNIMの10月14日付け声明内容を概観する。次に、囚人解放の声明をめぐる各発信主体間の対立からJNIMの内部争いを考察する。最後に、釈放された過激派戦闘員のJNIM再合流が、サヘル地域の治安情勢に及ぼす影響を検討する。

【目次】
1. JNIMの声明内容
2. 囚人解放の声明をめぐる発信主体間の対立
3. 囚人解放による治安上の懸念


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