『中東研究』第534号発行のお知らせ
『中東研究』第534号(2018年度 Vol.Ⅲ)が発行されました!
本号では、「変革期のサウジアラビア・アラビア半島」と題する特集を組み、脱石油経済の構築、移民依存型経済、若者層の取り込みといった共通の政策課題に直面するアラビア半島諸国について分析した論文が所収されております。
特に、サウジアラビアに関する論文を多く所収しました。サルマーン国王統治体制におけるムハンマド・ビン・サルマーン皇太子の権力増大(福田論文)、見捨てられる恐怖と安心供与の間で動揺するサルマーン国王時代の米国・サウジ同盟関係(草野論文)、近年の社会的開放政策に対する宗教界の反応(高尾論文)、政府に管理された社会的開放政策によってジェンダー秩序が変容する可能性(辻上論文)、さらには、湾岸アラブ諸国で見られる新しい移民社会のあり方(松尾論文)、などが議論されております。
このほか「最近の動向」では、2019年4月に大統領選挙を控えたアルジェリアの現在の政治状況に関する分析(私市論文)を掲載しています。
本号にも、昨今の中東情勢を見通すべく、時宜にかなった論文が多数集まりました。是非お手にとってご覧いただければ幸甚です。
目次
【大使の見たままに】
イラクでの2年9カ月を振り返って/岩井 文男
【特集:変革期のサウジアラビア・アラビア半島】
サルマーン国王の統治とムハンマド皇太子の権力/福田 安志
サルマーン国王即位後の米国の対サウジアラビア外交――オバマとトランプ政権下で動揺する「同盟関係」/草野 大希
サウジアラビアにおける「変革」と宗教界/高尾 賢一郎
ムハンマド皇太子の「改革」とジェンダー――後期レンティア国家における「管理された開放路線」のゆくえ/辻上 奈美江
湾岸アラブ諸国の移民社会――新複合社会試論/松尾 昌樹
【最近の動向】
アルジェリア政治の現状――2019年大統領選挙の課題/ 私市 正年
【書評】
高尾 賢一郎
『イスラーム宗教警察』/金谷 美紗
定価:(本体2,000円+税) ※送料別
※『中東研究』は紙版の他、セキュリティ付きのPDFファイルによるCD/DVD版も販売しております。