『中東研究』第528号発行のお知らせ
『中東研究』第528号(2016年度 Vol.Ⅲ)が発行されました!
本号では、「移動する中東」と題する特集を組みました。中東の移民・難民問題は中東域外にも広がりを見せており、国際社会・周辺地域にも様々な影響を与えています。本特集では、在日ムスリム移民・難民(店田論文)、ヨーロッパに移動するアラブ系移民・難民の市民権問題(錦田論文)、トルコの難民政策と欧州への影響(金子論文)、リビアの沿岸管理政策(小林論文)についてそれぞれ個別に分析しています。
このほか、「焦点:中東の経済・ビジネス・エネルギー」には、湾岸諸国におけるイスラーム金融の法制度(川村論文)、「最近の動向」には、ロシアの中東軍事政策(小泉論文)、チュニジアの男女平等運動(鷹木論文)、商標におけるアラビア語の位置づけ(宮川論文)に関する論文を掲載しています。
本号にも、昨今の中東情勢を見通すべく、時宜にかなった論文が多数集まりました。是非お手にとってご覧いただければ幸甚です。
目次
【特集: 移動する中東】
日本におけるムスリム移民・難民の現状と課題/店田 廣文
ヨーロッパの市民権を求めて――アラブ系移民/難民の移動と受入政策の変容/錦田 愛子
シリア難民をめぐるトルコと欧州の攻防――不安定化するトルコ、右傾化する欧州/金子 真夕
移民の「経由地」と「目的地」としてのリビア――内戦後の情勢流動化が与えた影響/小林 周
【焦点: 中東の経済・ビジネス・エネルギー】
湾岸諸国におけるイスラーム金融の法制度とその新潮流/川村 藍
【最近の動向】
中東に対するロシアの軍事的関与――その現状と今後/小泉 悠
チュニジアにおける『個人地位法』制定から60年目の論争――相続の男女平等と女性の配偶者選択の自由をめぐって/鷹木 恵子
アラビア語と商標――アラビア語を含む商標と商標実務の関係について/宮川 元
【書評】
Norrin M. Ripsman, Jeffrey W. Taliaferro, and Steven E. Lobell, Neoclassical Realist Theory of International Politics/今井 宏平
山内昌之『イスラームとアメリカ』新版/星野 守
定価:(本体2,000円+税) ※送料別
※『中東研究』は紙版の他、セキュリティ付きのPDFファイルによるCD/DVD版も販売しております。