『中東研究』第523号発行のお知らせ
『中東研究』第523号(2015年度 Vol.1)が発行されました!
本号では、「アラビア半島で何が起きているか」と「ビジネス化するハラールの虚像と実像」の二つの特集を組んでおります。アラビア半島の特集では、現在情勢が大きく動いているアラビア半島を政治・経済・軍事・外交の側面から分析し、サウジアラビアでの国王交代とそれに伴う人事・統治構造の変化(石黒論文)、原油価格の下落が湾岸産油国へ与える影響(須藤論文)、サウジの軍事介入を招いたイエメンでの紛争拡大の経緯(川嶋論文)、サウジ・イラン間の対立の特徴とその要因(村上論文)を扱った論文を並べています。また、ハラール問題の特集では、観光業界に広がるハラール基準の形成と浸透の過程(安田論文)、日本におけるハラールのブーム化の背景とその問題点(川端論文)について取り上げております。
巻頭では、「中東エッセイ」と題して、中東の不安定化要因である思潮・対立軸を見通す鏡論文を据え、さらに「焦点」には、アフガン・モデルを基軸とする米国による対「イスラーム国」軍事作戦の評価をした溝渕論文、「イスラーム国」が喧伝するイスラーム的統治の実態を描いた高尾論文も掲載されています。
本号にも、昨今の中東情勢を見通すべく、時宜にかなった論文が多数集まりました。是非お手にとってご覧いただければ幸甚です。
目次
【中東エッセイ】 | ||
中東:不安定化の実態 |
鏡 武 |
3 |
【特集: アラビア半島で何が起きているか】 |
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サウジアラビアの後継問題と統治構造の変化 |
石黒 大岳 |
11 |
原油価格の下落と湾岸産油国 |
須藤 繁 |
22 |
アラビア半島の震源地イエメン |
川嶋 淳司 |
31 |
サウジアラビアとイランの「冷戦」 ――「権力闘争」か「宗派対立」か |
村上 拓哉 |
42 |
【特集: ビジネス化するハラールの虚像と実像】 |
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ハラール・スタンダードの形成と軋轢――クレセントレーティング社におけるムスリム観光客ガイドラインを中心に |
安田 慎 |
53 |
「ハラール・ビジネス」のブーム化と課題――マスメディアの論調から読み解く |
川端 隆史 |
62 |
【焦点: 中東における政治変動とイスラーム主義】 |
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米国の対「イスラーム国」軍事作戦をどう評価するか? |
溝渕 正季 |
75 |
「ヒスバ」から見る「イスラーム国」の統治 |
高尾 賢一郎 |
90 |
【書評】 | ||
『「アラブの心臓」に何が起きているのか――現代中東の実像』(青山 弘之 編) |
白谷 望 |
101 |
定価:(本体2,000円+税) ※送料別
※『中東研究』は紙版の他、セキュリティ付きのPDFファイルによるCD/DVD版も販売しております。