№8 アルジェリア:教皇レオ14世の来訪中に2件の自爆攻撃が発生したとの報道
2026年4月14日、仏公共放送『フランス24』はAFP通信の情報に基づき、13日にアルジェリアの首都アルジェの南西約40kmに位置するブリーダ市で、2件の自爆攻撃が発生したと報じた。13日は、バチカン市国の教皇レオ14世がアフリカ歴訪の一環としてアルジェリアを訪問した初日に当たる。
仏紙『ル・モンド』によれば、最初の自爆犯は、ブーディアフ大通りとパレスチナ通りの交差点で自爆した。2人目は、そこから約250m離れたブーディアフ大通りとベルカセム・エル・ウズリ通りの交差点付近にある、ブリーダ警察署の外壁沿いで爆弾ベルトを起爆させた。今回の自爆攻撃では自爆犯2人以外の死者は確認されていない。
この事件について、現時点でアルジェリア政府による公式発表は出ておらず、国営通信社(APS)や独立系メディア(TSA Algérie等)も報じていない。また、イスラーム過激派勢力による犯行声明も確認されていない。
評価
今回の2件の自爆攻撃は、教皇レオ14世がローマ教皇として初めてアルジェリアを訪問していた最中に発生した。仏紙『ル・モンド』は、この事件が祝賀ムードに水を差しかねないことから、アルジェリア国内ではメディア統制が徹底されていると報じている。アルジェリアでは、イスラーム過激派による攻撃が頻発した1990年代の内戦期や、「イスラーム国」が台頭した2010年代と比べると、近年はアルジェを中心とする同国北部の治安状況は改善している。そのため、タブーン政権には、国際的な注目が集まる教皇訪問中に自爆攻撃が起きた事実を公にしたくない意図があると考えられる。
一方、アルジェリア南部では、外国人観光客を狙った事件が時折発生している。2024年10月、リビア及びニジェール国境近くの町ジャネートで、スイス人観光客が殺害された。仏紙『ル・フィガロ』の取材に応じたアルジェリアの情報筋によれば、被害者はカフェのテラス席に座っていたところ、男に襲撃され、ナイフで喉を切り裂かれたと見られる。2025年1月には、南部タマンラセート近郊のアサクラームでスペイン人男性が正体不明の武装集団によって誘拐され、その後マリで解放される事件も起きた。
現在、アルジェリアはナイジェリア及びニジェールと「トランス・サハラ・ガスパイプライン(TSGP)」構想を進めている。このため、計画実現の前提となる治安の安定を確保するためにも、今回の自爆攻撃の教訓を踏まえ、今後は治安対策を一段と強化していくと考えられる。
【参考】
「アルジェリアが目指すナイジェリアとの天然ガス協力の課題 ――モロッコとの競合とサヘル地域情勢の影響――」『中東分析レポート』R25-01。※会員限定。
「アルジェリアとチュニジアにおけるイスラーム過激派の動向」『イスラーム過激派モニター』M20-10。※会員限定。
(主任研究員 高橋 雅英)
◎本「かわら版」の許可なき複製、転送はご遠慮ください。引用の際は出典を明示して下さい。
◎各種情報、お問い合わせは中東調査会 HP をご覧下さい。URL:https://www.meij.or.jp/







.png)
