№126 アルジェリア:ロシアの最新鋭戦闘機「Su-57E」を購入
2025年2月12日、国営テレビは、アルジェリアがロシアの最新鋭戦闘機「Su-57E」を購入したことを明らかにした。これにより、アルジェリアはSu-57Eを輸入する最初の国となる。現在、アルジェリア人パイロットがロシアで同戦闘機の飛行訓練を受けており、今年中にアルジェリアへの引き渡しが開始される予定である。
評価
アルジェリア・ロシアの軍事関係は長年、アルジェリアへのロシア製武器の供与や軍関係者間の人的交流を軸に発展し、2022年からは合同軍事訓練の実施を通じて、強化されてきた。今般のSu-57E購入は、2024年9月にシェングリーハ参謀総長がアルジェでロシアの武器輸出入会社「ロソボロネクスポート」の社長と会談した際に取り決められた可能性がある。また、アルジェリアはロシアの最新型ステルス戦闘機「Su-75」の購入にも関心を示しており、今後もロシア製戦闘機を拡充していくと見られる。
アルジェリアが戦闘機を増やしている背景には、西サハラ問題などを理由に断交中のモロッコへの対抗意識があると考えられる。モロッコも2024年、UAE保有のフランス製戦闘機「ミラージュ2009-E」30機や、米国製戦闘機「F-16バイパー」24機の購入を決定した。アルジェリアは軍備拡大を図ることでモロッコに圧力をかけようとしている一方、戦闘機購入に伴う大規模な軍事支出は資源価格が低迷した場合に、大きな財政負担となる恐れがある。
(主任研究員 高橋 雅英)
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