中東かわら版

№105 クウェイト:第二次アフマド・ナウワーフ内閣の発足

 2022年10月16日、首長令を通して第二次アフマド・ナウワーフ内閣の陣容が以下表の通り発表され、翌17日に就任の宣誓が行われた。これによって、先月末の議会選挙を踏まえた新内閣が正式に発足した。

役職

氏名

首相

アフマド・ナウワーフ・アフマド・サバーフ(王族)

副首相

内相

タラール・ハーリド・アフマド・サバーフ(王族)

副首相●◎

内閣担当国務相●◎

バッラーク・アリー・バッラーク・シャイターン

副首相●◎

石油相●◎

バドル・ハーミド・ユースフ・ムッラー

情報・文化相

青年担当国務相

アブドゥルラフマーン・バダーフ・アブドゥルラフマーン・ムタイリー

財務相

経済・投資担当国務相

アブドゥルワッハーブ・ムハンマド・ルシャイド

保健相●

アフマド・アブドゥルワッハーブ・アフマド・アウディー

公共事業相●◎

電気・水・再生可能エネルギー相●◎

アマーニー・スレイマーン・アブドゥルワッハーブ・ブー・カマーズ(女性)

教育相●◎

高等教育・科学研究相●◎

ハマド・アブドゥルワッハーブ・ハマド・アドワーニー

外相●◎

サーリム・アブドッラー・ジャービル・サバーフ(王族、元駐米大使)

司法相●◎

不正撲滅担当国務相●◎

ワクフ・イスラーム事項相●◎

アブドゥルアジーズ・マージド・アブドゥルアジーズ・マージド

地方自治担当国務相●◎

アブドゥルアジーズ・ワリード・アブドッラー・ムウジル

国防相●

アブドッラー・アリー・アブドッラー・サーリム・サバーフ(王族)

国会担当国務相●◎

住宅・都市開発担当国務相●◎

アンマール・ムハンマド・アンマール・アジュミー

商工相●

通信・情報技術担当国務相●

マージン・サアド・アリー・ナーヒズ

社会・地域開発相●◎

女性・子供担当国務相★◎

マイ・ジャーシム・ムハンマド・バグリー(女性)

★は新設ポスト、●は既存ポストの新任、◎は第一案からの変更

 

評価

 新内閣は、副首相2名を含むほぼ全ての閣僚が新任(★●)であり、女性閣僚も2名に増えたことなどが注目を集めている。加えて重要なのは、この陣容が第二案だということであろう。先立つ5日、新内閣の第一案が発表された際には外相や国防相が留任予定であった。しかしその後、反政府議員からの反対の声が上がり、16日になって第二案が出されたというわけだ。第二案では、外相・石油相の他、第一案からの大幅な変更(◎)が見られ、新内閣は言うなれば反政府議員の意向を反映して確定した。先般の選挙では議席の過半数を反政府候補が獲得し(28/50)、議会における政府への要求が今後強くなる事態が予想されている。その兆しが、内閣発足前から既に現れたと言えよう。

 

【参考】

「クウェイト:第18期議会選挙の実施」『中東かわら版』No.93

(研究員 高尾 賢一郎)

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