中東かわら版

№71 ヨルダン:内閣改造(ハサーウナ第4次内閣の成立)

 2021年10月11日、王宮府はハサーウナ内閣の改造を認める王宮令を発出した。第4次ハサーウナ内閣で任命された新しい閣僚は以下の通り。

教育相兼高等教育・科学研究相

ワジーフ・ウワイス

元高等教育・科学研究相(2011,2016);元ヨルダン科学技術大学学長

エネルギー・鉱物資源相

サーリフ・ハラーブシャ

元環境相(2019);元エネルギー・鉱物資源相(2017-18);計画・国際協力省事務次官(2009-17)

産業・貿易・供給相

ユースフ・シャマーリー

元産業・貿易・供給省事務次官(2015-2021)

メディア担当国務相

ファイサル・シャブール

元国営ペトラ通信代表(1999-2006,2012-18)

文化相

ハイファー・ナッジャール

女性;上院議員(2011-)

法律問題担当国務相

ワファー・バニー・ムスタファー

女性;下院議員(2011-20)

環境相

ムアーウィヤ・ラダーイダ

前王宮府環境・エネルギー・水資源局長

投資相

ハイリー・アムル

元政府系投資運用会社社長;元クレディ・スイスのスイス及びUAE本部社長

労働相

ナーイフ・アスタイティヤ(スタイティヤ)

PPP促進プログラム・起業家教育を手掛けるNPO法人を運営

(出所)国営ペトラ通信などを元に筆者作成。

 

評価

 ヨルダンでは内閣改造は頻繁に行われている。新たに任命された閣僚ポストが、エネルギー・鉱物資源相、産業・貿易・供給相、投資相、労働相であることから、国王はコロナ禍で落ち込んだ経済の回復をハサーウナ内閣に期待していると理解できる。2021年6月に発表されたヨルダンの失業率は25%で、前年同期から5.7ポイントも上昇した。政府及びIMF予測の2021年GDP成長率はわずか2%である。ヨルダンではワクチン接種が少しずつ進み、2回接種率は人口の33%に達したが、経済活動が通常に戻るまでいまだ時間を要すると思われるため、経済回復は長期的な課題になるだろう。

(上席研究員 金谷 美紗)

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