№66 UAE:内閣改造を発表
- 2021湾岸・アラビア半島地域アラブ首長国連邦
- 公開日:2021/09/27
2021年9月25日、ハリーファ大統領は内閣改造を発表した。新たな顔ぶれは以下表の通り。
|
ポスト(☆は新設) |
人物(★は新任) |
1 |
首相兼国防相 |
ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム(副大統領、ドバイ首長) |
2 |
副首相兼財務相 |
マクトゥーム・ビン・ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム★(ドバイ首長家) |
3 |
副首相兼内相 |
サイフ・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン(中将、アブダビ首長家) |
4 |
副首相兼大統領府担当相 |
マンスール・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン(アブダビ首長家) |
5 |
外務・国際協力相 |
アブドッラー・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン(アブダビ首長家) |
6 |
寛容・共存相 |
ナヒヤーン・ビン・ムバーラク・アール・ナヒヤーン(アブダビ首長家) |
7 |
内閣事項担当・未来相 |
ムハンマド・ビン・アブドッラー・ガルガーウィー |
8 |
保健・予防相兼連邦国家評議会担当国務相 |
アブドゥルラフマーン・ビン・ムハンマド・ビン・ナーシル・ウワイス |
9 |
財務担当国務相 |
ムハンマド・ビン・ハーディー・アフマド・アブドッラー・フサイニー★ |
10 |
国際協力担当国務相 |
リーム・ビント・イブラーヒーム・ハーシミー |
11 |
エネルギー・インフラ開発相 |
スハイル・ビン・ムハンマド・ファラジュ・ファールス・マズルーイー |
12 |
産業・先端技術相 |
スルターン・ビン・アフマド・ジャービル |
13 |
教育相 |
フサイン・ビン・イブラーヒーム・ハマーディー |
14 |
国防担当国務相 |
ムハンマド・ビン・アフマド・ブワールディー |
15 |
文化・青年相 |
ヌーラ・ビント・ムハンマド・カアビー |
16 |
公教育担当国務相 |
ジャミーラ・ビント・サーリム・ムサッビフ・ムハイリー |
17 |
地域社会開発相 |
ヒッサ・ビント・イーサー・ブーフマイド |
18 |
経済相 |
アブドッラー・ビン・トゥーク・マッリー |
19 |
気候変動・環境相 |
マルヤム・ビント・ムハンマド・サイード・ハーリブ・ムハイリー★(前食料・水安全担当国務相) |
20 |
人的資源・自国民化相 |
アブドゥルラフマーン・ビン・アブドゥルマンナーン・アワル★(元政府人材資源連邦局事務局長) |
21 |
司法相 |
アブドッラー・ビン・スルターン・ビン・アウワード・ヌアイミー★(財務管理及び治安に関する経済専門家) |
22 |
最高評議会担当相 |
アブドッラー・ビン・ムハイル・キトビー★(少将) |
23 |
国務相 |
シャフブート・ビン・ナヒヤーン・ビン・ムバーラク・アール・ナヒヤーン★(アブダビ首長家) |
24 |
国務相 |
マイサー・ビント・サーリム・シャームシー |
25 |
起業・中小企業担当国務相 |
アフマド・ビン・アブドッラー・フマイド・ビルフール・ファラーシー |
26 |
貿易担当国務相 |
サーニー・ビン・アフマド・ジユーディー |
27 |
国家開発・未来担当国務相 |
ウフード・ビント・ハルファーン・ルーミー |
28 |
青年担当国務相 |
シャンマー・ビント・スハイル・ビン・ファーリス・マズルーイー |
29 |
先端技術担当国務相 |
サーラ・ビント・ユースフ・アミーリー |
30 |
デジタル経済・AI・テレワーク実施担当国務相 |
ウマル・ビン・スルターン・ウラマー |
31 |
国務相 |
アフマド・アリー・サーイグ |
32 |
国務相 |
ハリーファ・ビン・シャーヒーン・マラル★ |
33 |
国務相 |
ハマド・ビン・ムバーラク・シャームシー★ |
(現地報道を元に作成)
評価
まずポストに目を向ければ、財相が副首相兼任となり、外務担当国務相と食料・水安全担当国務相が廃止され、代わりに国務相(x2)が新設された。廃止された2つについては、外務担当国務相の役割は元々ある外務・国際協力相が担い、食料・水安全担当国務相はムハイリー同相がスライドで任命された気候変動・環境相が担う。
また新任については9名と、そう多くはない。主要ポストについても、アブダビ首長家とドバイ首長家が占める構図は変わっていない。他方で、ムハンマド・ビン・ラーシド首相(ドバイ首長)の息子であるマクトゥーム・ビン・ムハンマド王子が副首相兼財務相に任命されたことは注目を集めている。上述した財相の副首相兼任は、ポストの職掌を拡充したというより、同王子に権力を付与したと見るべきだろう。
なお、今回の内閣改造についてハリーファ大統領は、2021年12月に建国50周年を迎えるにあたっての各種取り組みに向けたものと述べたが、具体的な関連については説明されていない。
(研究員 高尾 賢一郎)
◎本「かわら版」の許可なき複製、転送はご遠慮ください。引用の際は出典を明示して下さい。
◎各種情報、お問い合わせは中東調査会 HP をご覧下さい。URL:https://www.meij.or.jp/