中東かわら版

№43 UAE:内閣改造・省庁再編

2020年7月5日、UAE政府は大規模な内閣改造・省庁再編の決定を以下表の通り発表した。

 

1. 新設の省(赤)に関する統合・移管

 

※その他、既存省庁に関しては国営通信(EMA)の大統領府への移管、郵政公社・交通公社・不動産公社・水電力庁の投資庁への移管、国家資格局の教育省への統合、人的資源庁の首相府への統合等が決定された。

 

2. 閣僚一覧 ※新設は☆、新任は★

1

首相兼国防相

ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム

2

副首相兼内相

サイフ・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン

3

副首相兼大統領府担当相

マンスール・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン

4

財務相

ハムダーン・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム

5

外務・国際協力相

アブドッラー・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン

6

寛容・共存相

ナヒヤーン・ビン・ムバーラク・アール・ナヒヤーン

7

内閣事項担当・未来相

ムハンマド・ビン・アブドッラー・ガルガーウィー

8

最高評議会担当相

アフマド・ジュムア・ザアビー★

9

保健・予防相兼連邦国家評議会担当国務相

アブドゥルラフマーン・ビン・ムハンマド・ビン・ナーシル・ウワイス

10

外務担当国務相

アンワル・ムハンマド・ガルガーシュ

11

財務担当国務相

ウバイド・ビン・フマイド・ターイル

12

国際協力担当国務相

リーム・ビント・イブラーヒーム・ハーシミー

13

エネルギー・インフラ相☆

スハイル・ビン・ムハンマド・ファラジュ・ファールス・マズルーイー(前エネルギー相)★

14

気候変動・環境相

アブドッラー・ビン・ムハンマド・ビルハイフ・ヌアイミー(前インフラ開発相)★

15

産業・先端技術相☆

スルターン・ビン・アフマド・ジャービル(前国務相兼アブダビ国営石油会社CEO)★

16

司法相

スルターン・ビン・サイード・バーディー

17

教育相

フセイン・ビン・イブラーヒーム・ハマーディー

18

国防担当国務相

ムハンマド・ビン・アフマド・ブワールディー

19

文化・青年相

ヌーラ・ビント・ムハンマド・カアビー(前国民議会担当国務相)★

20

公教育担当国務相

ジャミーラ・ビント・サーリム・ムサッビフ・ムハイリー

21

人的資源・自国民化相

ナーシル・ビン・サーニー・ジュムア・ハーミリー★

22

地域社会開発相

ヒッサ・ビント・イーサー・ブーフマイド

23

経済相

アブドッラー・ビン・トゥーク・マッリー★

24

国務相

マイサー・ビント・サーリム・シャームシー

25

起業・中小企業担当国務相(経済省)☆

アフマド・ビン・アブドッラー・フマイド・ビルフール・ファラーシー(前高等教育担当国務相)★

26

貿易担当国務相(経済省)☆

サーニー・ビン・アフマド・ジユーディー(前気候変動・環境相)★

27

国家開発・未来担当国務相

ウフード・ビント・ハルファーン・ルーミー(前幸福担当国務相)★

28

青年担当国務相(文化青年省)☆

シャンマー・ビント・スハイル・ビン・ファーリス・マズルーイー

29

国務相

ザキー・アンワル・ヌサイバ★

30

食料・水安全担当国務相

マルヤム・ビント・ムハンマド・サイード・ハーリブ・ムハイリー★

31

先端技術担当国務相☆

サーラ・ビント・ユースフ・アミーリー★

32

デジタル経済・AI・テレワーク実施担当国務相☆

ウマル・ビン・スルターン・ウラマー★

33

国務相

アフマド・アリー・サーイグ

 

評価

 ムハンマド・ビン・ラーシド副大統領兼首相(ドバイ首長)は今般の内閣改造・省庁再編の目的として、①行政における意思決定の迅速化、②行政サービスのデジタル化、③関係機関のスリム化(50%に減らす)等を挙げた。実際、閣僚数は増えたものの政府機関の統廃合が進んでいる。加えて見て取れるのは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を踏まえた対応である。「テレワーク実施担当」ポストの新設といった直接的な試みを含め、目標の一つとして掲げられる「デジタル化」は、COVID-19感染拡大下で求められた「新しい生活様式」に即した社会作りへの貢献が期待されていると思われる。

(研究員 高尾 賢一郎)

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