中東かわら版

№38 アルジェリア:内閣改造(ジェラード第2次内閣)

 タブーン大統領は2020年6月23日、小規模な内閣改造を行い、重要閣僚の財務相やエネルギー相を交代させた。新閣僚は以下の通りである。

 

財務相

アイマン・ベンアブドゥルラフマーン

前中央銀行総裁

エネルギー相

アブドゥルマジード・アッタール

元炭化水素公社Sonatrach総裁(1997-2000)、元水資源相(2003)

エネルギー転換・再生可能エネルギー相

【新設】

シャムスッディーン・シートゥール

前高等教育・科学研究相

高等教育・科学研究相

アブドゥルバーキー・ベンズヤーン

オラン第二大学教授

デジタル化・統計相

【新設】

ムニール・ハーリド・ベラーフ

元国家統計局事務局長、

前高等教育・科学研究省次官

鉱業相

ムハンマド・アルカーブ

前エネルギー相

農業・地方開発相

アブドゥルハミード・ハムダーン

 

運輸相

ラズハル・ハーニー

元国営航海会社(Cnan)会長

観光・手工業相

ムハンマド・ハミードゥー

 

製薬産業相

【新設】

アブドゥルラフマーン・ラタフィー・ジャマール・ベンバフマド

アルジェ大薬学部教授、

前製薬産業担当相

 

評価

 今般の内閣改造の目的は、この数カ月で悪化した経済を立て直すことである。3月からの新型コロナウイルス感染症の抑制策や国際原油価格の下落を受け、経済は低迷し、財政赤字が拡大している。そのため、政府は経済政策担当の財務相と石油・ガス政策担当のエネルギー相を刷新することで、経済改善の糸口をつくり出す狙いがあると考えられる。

 特筆すべき点は、アッタール元Sonatrach総裁のエネルギー相への登用である。歴代エネルギー相のほとんどはSonatrach出身者であったが、ここ数年は国営電力会社Sonelgaz出身者が3人続けて同ポストを占めた。今回、アッタール氏起用の背景には、彼の豊富な経験と知識が石油・ガス産業への外資誘致政策に貢献し、生産量を増加できるとの政府の期待がある。

 今後の注目点は、閣僚交代が大きな政策転換につながるか、である。まず経済政策では、財政赤字の補填策として、①対外借入措置の解禁、もしくは②非伝統的金融政策(中銀が国債購入を通じて政府に資金供給)の再開が行われることも予想される。次に石油・ガス政策について、アッタール氏は昨年改定の炭化水素法が外資参入を促さないとの立場であり、今後の開発・探鉱鉱区の入札実施前に、政府が外資への更なる優遇措置を実施する可能性もあるだろう。

(研究員 高橋 雅英)

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