中東かわら版

№39 GCC:マッカでのGCC緊急会合

 30日夜、サウジアラビアのサルマーン国王の呼びかけにより、マッカでGCC緊急会合が開催された。報道によれば、最終声明概要は以下のとおり。

  1. サウジ・リヤド州の2つの石油パイプライン施設を攻撃したフーシー派を批判する。
  2. マッカを標的として弾道ミサイルを発射したフーシー派を批判する。
  3. UAE領海での民間商船4隻への攻撃は海洋の安全を脅かすもので、これを批判する。
  4. GCCが強化・団結し、脅威に立ち向かうことを再確認する。
  5. イランに対して、国連憲章及び国際法の順守、各国の主権の尊重、他国への不介入、テロ組織の支援・宗派対立の扇動・シーレーンの安定の妨害を行わないこと、国際社会に対して、イランの核開発を防ぐべく働きかけること、以上をGCCとして呼びかけることを再確認する。
  6. イランの核開発・弾道ミサイル開発・テロ支援、またヒズブッラーや革命防衛隊に対抗すべく、米国との関係をGCC単位及び加盟各国単位で強化することを再確認する。

 

評価

 今次の緊急会合は5月中旬から呼びかけが行われ、これは同月に起こったサウジ・UAEの民間商船「破壊行為」やサウジの石油パイプライン施設への攻撃を背景としたものである(『中東かわら版』No.30, 31, 32 )。日程としては、ラマダン月のマッカ巡礼を目的に各国要人がサウジを訪問する時期に合わせたもので、サウジはムスリム世界連盟(MWL)会議(27~30日、於マッカ)、イスラーム協力機構(OIC)閣僚会合(30日、於ジェッダ)、GCC緊急会合及びアラブ連盟緊急会合(30~31日、於マッカ)、OIC第14回サミット(31日、於マッカ)と、立て続けに主催した会合の中で、上記のようなイラン批判を展開した。

 今次の緊急会合では、サウジ・UAE・バハレーンと断交中であるカタルの扱いが注目された。カタル側は、主催者であるサウジのサルマーン国王からカタルのタミーム首長への会合参加の招待が26日に書簡で届いたと発表したが、他のGCC加盟国も同様の状況で、カタルのみに特別な対応がなされたわけではない。カタルからはアブドッラー・ビン・ナーシル首相兼内相(首長家出身、首長に次ぐナンバー・ツー)が出席した。

 サウジがカタルを招待し、カタルはハイレベルの出席でこれに応じたわけだが、サウジ・カタルの対立関係やカタル・イランの友好関係が変化するかどうかは現時点で不透明である。他方、GCCの強化・団結が再確認されたことで、GCC内におけるカタルの立場改善のための一歩になる可能性はあるだろう。

(研究員 高尾 賢一郎)

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