中国で発生した新型コロナウイルスの問題は、中東諸国でも日本・日本人を対象とする入国規制が取られる問題へと発展している。本稿執筆時点で中東諸国がとっていることが確認できる諸措置は以下の通り。
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国名
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主な措置
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アフガニスタン
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イラン
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- イランによる日本からの入国規制は特になし。
- 日本外務省は、ゴム州、テヘラン州、及びギーラーン州の感染症危険レベルを3(渡航は止めてください)に引き上げた。
- アメリカ政府は、イラン人、及びイランに過去14日以内に渡航した者の入国を禁止した。
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トルコ
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- イランから帰国したトルコ国籍者は、サーマル検査実施し、14日間の検疫。
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イラク
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- 中国、イラン、タイ、韓国、日本、イタリア、シンガポール、バハレーン、クウェイトからの旅行者の入国を禁止。
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クウェイト
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- 日本、中国(香港含む)、韓国、イラン、イラク、タイ、シンガポール、イタリアからの渡航者、及び過去14日以内に同8カ国に滞在した者の入国禁止。
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バハレーン
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- バハレーンの滞在許可を有しておらず、過去14日以内に日本、韓国、イラン、タイ、シンガポール、マレーシアに滞在した者の入国禁止。
- バハレーンの滞在許可を有する者で、過去14日以内に上記6カ国に滞在した者は、検査を受け、入国後の14日間の自宅待機。
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カタル
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UAE
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サウジアラビア
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- 日本、中国(台湾・香港・マカオ含む)、韓国、インドネシア、シンガポール、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、アゼルバイジャン、イラン、ウズベキスタン、カザフスタン、パキスタン、イエメン、シリア、ソマリア、イタリアからの入国禁止。但しG20外交団を除く。
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オマーン
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- 過去14日以内の日本、韓国、中国、シンガポール、イランから到着した渡航者は、自宅待機又は保健機関で14日間の検疫。
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イエメン
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シリア
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- 政府は、国民に対し新型コロナウイルスの流行地に渡航しないよう呼びかけるとともに、同ウイルスの感染者がいると発表した諸国からの観光ツアーの入国を停止すると決定した。
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レバノン
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- 新型コロナウイルスが伝染している諸国からの入国を禁止すると発表した。発表時点での対象国は中国、韓国、イラン、イタリアで、以後は感染が発生した国を委員会が指定する。
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ヨルダン
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- 中国、イラン、韓国、イタリア人の入国禁止、当該国から帰国したヨルダン人に検疫実施。
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イスラエル
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- 日本から帰国した者は自宅待機する。日本国内で乗り継いた者で、空港を出ていない者は自宅待機の対象外。
- エルアル航空、テルアビブ・成田の直行便の就航日を3月11日から4月4日に延期。
- 過去14日以内に中国本土、香港、イタリア、日本、韓国、マカオ、タイ、シンガポールに滞在した者の入国を拒否。
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パレスチナ
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- 今後、中国、韓国、日本、マカオ、シンガポール、タイ、香港、イラン、イタリアから来た者達に対し、当該国に滞在最終日から14日間、医療機関での検疫を行う。
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エジプト
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リビア
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- アメリカ政府がコロナウイルスの流行を理由に渡航しないよう勧告した。
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チュニジア
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アルジェリア
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モロッコ
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評価
エジプト、マグリブ諸国では日本を対象とした措置は特に取られていないようだが、これらの諸国では地理的に近接し、ウイルス感染者数が増加しているイタリアについては航空便の運航や出入国について措置を講じている場合もありうるので、注意が必要である。なお、ウイルスの感染の広がりも、各国の措置も状況が刻々と変化するため、諸措置についても常時事前に確認することが望ましい。
(中東調査会)