中東かわら版

№167 湾岸・アラビア半島:革命防衛隊による報復攻撃とその余波

 イランの革命防衛隊は、米軍がミサイル攻撃(アイン・アサド基地、エルビル基地)への報復を第三国から実施する場合、当該国を攻撃する意志があることを述べた。現在、イラク周辺で米軍が駐留する主な国々は図の通り。

 

図:イラン周辺で米軍が駐留する国

赤:イランと対立関係、ないし米国と緊密な関係。

青:イランと友好関係、ないし中立的立場。

灰色:政府レベルではイランと友好関係も、米軍が(イランから見て)「侵略」。

※非公式ながら、ドバイとハイファを攻撃するとのコメントもネットでは見られる。

 

評価

 サウジをはじめGCC諸国は、米国のトランプ大統領及びポンペオ国務長官との連絡を密にし、イラク情勢への対応に臨んでいる。ただし、革命防衛隊による報復攻撃の第一波が極めて明確な、分かりやすい形で実施されたこともあり、現時点で米国への支持や協力を堂々と公表することは避けている。革命防衛隊としては、米国に協力することのリスクを周辺国に実感させることに、ひとまずは成功したと言えるだろう。

(研究員 高尾 賢一郎)

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