中東かわら版

№125 オマーン:第9期諮問評議会選挙の実施

 2019年10月27日、第9期諮問評議会選挙(定数86議席、任期4年)がオマーン各都市で実施された。結果は以下概要の通り。

 

選挙人登録者:713,335人(男性375,801/女性337,534)

立候補者:637人(男性597/女性40)

投票者:350,581人

投票率:49.15%

 

※定数は各州に1~2議席(人口3万以上の州は2議席、同3万以下は1議席)、割り当てられている。詳細は内務省管轄の選挙管理委員会HPを参照。

 

評価

 今次選挙の結果を受けて、選管やメディアでは、前回の第8期選挙(2015年度『中東かわら版』No.108)と比べて女性の立候補者数・当選者数が倍増した点(前回選挙は立候補者数20・当選者1)や、当選者の顔ぶれが比較的新しく、若い点が強調された。また、立候補者の高学歴化が指摘され、博士号取得者28人、修士号取得者75人と報じられた。

 一方、投票率は前回の約56.66%から落ち込み、選挙に対する無関心層が拡大したと判断できる。また、女性に関しては、「倍増」と言っても当選率は前回同様5%である。落選した38名に関しても、善戦したと言えるのはわずか数名で、今次選挙を女性の社会進出の兆候と謳うのは看板倒れである。オマーン同様、周辺の君主制国家(UAE、サウジ、カタル)では、地方議会等の選挙実施を通じて、部分的な民主化や女性の地位向上がアピールされる。しかし、実施することで、選挙制度やその意味をめぐって、様々な課題が浮かび上がるのが実情である。

(研究員 高尾 賢一郎)

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