中東かわら版

№64 バハレーン:米国提案の海上安全保障会議を主催か

 2019年7月17日、ブライアン・フック米国務省イラン担当特別代表は、アラビア半島周辺における航行上の脅威(イラン・イエメン)に対抗するための海上安全保障会議を、日程は不明ながら、65カ国参加の下で、バハレーンが主催する予定だと発表した。この背景には、前日の16日、バハレーンのハーリド・ビン・アフマド外相が、ポンペオ米国務長官が主宰する第2回「信教の自由促進のための閣僚会合」に参加するため、米国を公式訪問したことがある。この滞在中、同外相は、ポンペオ国務長官、デイビッド・シェンカー近東問題担当国務次官補、ブライアン・フック国務省イラン担当特別代表らと会談し、イランがフーシー派への支援を通してイエメン紛争の解決を妨げていること、バハレーン国内のテロ組織に支援を続けていること、これらの活動を通してイランが地域及び世界にとっての脅威を代表する存在であること、そしてバハレーンは米国によるイランへの圧力を支持することを確認した。さらに、ホルムズ海峡のタンカー問題(『イスラーム過激派モニター』「2019年4号 オマーン湾での船舶攻撃事件」他参照 ※会員限定)をはじめとした、湾岸地域の不安定化への対応についても協議した。冒頭の海上安全保障会議の提案は、以上の協議の結果を受けたものと思われる。

 

評価

 ハーリド・ビン・アフマド外相が米国高官に訴えたイランの脅威、及びバハレーンの立場に関する内容は、取り立てて新しいものではない。他方、実現性については不透明ながら、65もの国が参加する安全保障会議の開催という具体的な動きを示したことは、同外相の訪米の成果と言えよう。一方の米国側は、ポンペオ国務長官が、6月25~26日のパレスチナ経済会合をバハレーンが主催したことに言及した。同会合は国際的に評価されていないものの(『中東トピックス』2019年6月号他参照 ※会員限定)、米国としてはトランプ大統領のパレスチナ和平協議に向けた実績に一役買ったバハレーンの立場を評価しているということであろう。

 イラン・イエメンによる航海上の脅威への対抗というと、現在、ペルシャ湾のホルムズ海峡と紅海のバーブ・マンデブ海峡の2つの安全確保を目指す、米国提案の「有志連合」が話題に上っている。これに関しては具体的な内容がまだ発表されていないが、今回発表した海上安全保障会議が、この有志連合の準備の場となる可能性もあるだろう。

(研究員 高尾 賢一郎)

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