中東かわら版

№2 サウジアラビア:アラブ連盟首脳会議での立場表明

 3月31日、チュニジアの首都チュニスで第30回アラブ連盟首脳会議が開催された。サウジアラビア国内紙は、同会議の開会セッションで議長を務めたサルマーン国王が表明した自国の変わらない立場・認識として、以下の通り報じている。

 

1.パレスチナ問題はこれからもアラブ諸国にとっての極めて重要な課題である。

2.ゴラン高原におけるシリアの主権を損なう、あらゆる措置に反対する。

3.イエメン市民への支援を継続する。

4.リビア統一に向けた治安強化、テロとの戦いへの支援を継続する。

5.イランが世界のテロへの支援を続けている。

6.サウジアラビアはテロ及び過激主義との戦いを継続する。

 

アラブ連盟全体の宣言は以下の通りである。

 

1. ゴラン高原の主権をイスラエルが有するべきとしたアメリカの認識に反対する。

2. ゴラン高原の領有権はシリアにある。

3. エルサレムをイスラエルの首都とする司法手続きに反対する。

4. トルコとイランによるアラブ諸国の問題への介入に反対する。

 

評価

 本会議では、パレスチナ・イスラエル問題やシリア紛争、リビア紛争、また過激主義への対応といった従来の主要議題が引き続き取り上げられた。とりわけイスラエル問題は、3月21日にアメリカのトランプ大統領がゴラン高原の領有権をイスラエルに対して認めるべきだと表明したことを受けて(『中東かわら版』2018年度No.115及びNo.117を参照)、中心的議題となった様子がうかがえ、サウジアラビアもアメリカの表明を拒絶するとの立場を明確にした。

 またサウジアラビアと断交関係にあるカタルのタミーム首長が、会議には参加したものの、上記宣言を協議するための会議には出席しなかったことも報じられた。タミーム首長はアブルゲイト・アラブ連盟事務総長がトルコ・イランによるアラブ諸国への介入を批判する演説の途中で退席したとされ、サウジアラビアの一部国内紙はこれを「逃亡」と評している。タミーム首長の途中退席によって、改めてカタルの孤立が強調される形となった。

(研究員 高尾 賢一郎)

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