中東かわら版

№106 サウジアラビア:副国防相、駐米大使の任命

 2月23日、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子(MbS)は、外遊中のサルマーン国王に代わり、副国防相と駐米大使の人事に関する勅令を発出した。

 

副国防大臣

ハーリド・ビン・サルマーン・アブドルアジーズ・アール=サウード

前駐米大使(2017-2019);王族(MbSの同腹弟)、軍人

駐米大使

リーマ・ビント・バンダル・ビン・スルターン・ビン・アブドルアジーズ・アール=サウード

前総合スポーツ庁女性部門副部長(2016-2019);実業家、慈善活動家;王族、父は元駐米大使

 

 

 

 

 

評価

 今次人事は、駐米大使のハーリド・ビン・サルマーンを解任し、副国防相に任命すると共に、リーマ・ビント・バンダル・ビン・スルターンを駐米大使に任命した形となる。サウジアラビアにおける初の女性大使となる。

 ハーリド・ビン・サルマーンの解任は、カショギ氏事件で悪化した対米関係を刷新するためであろう。新たに駐米大使に任命されたリーマ・ビント・バンダル王女は、22年間駐米大使を務めたバンダル・ビン・スルターン(在任1983~2005年)の娘で、MbS主導による女性の社会進出政策として設置された総合スポーツ庁女性部門の副部長であった。米国と太いパイプをもつ人物であり、かつ女性を駐米大使に任命することで、対米関係に新しい風を吹き込みたい意図があると考えられる。

 また、ハーリド・ビン・サルマーンの副国防相就任は、MbSが国防相でもあることを考えると、MbSが自身の側近を信頼できる身内の人物で固めたことを意味する。MbSに権力が集中する体制がさらに強化されたともいえよう。

(研究員 金谷 美紗)

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