中東かわら版

№93 バハレーン:国会議員の改選と新内閣発足

 バハレーンで、下院議員選挙(定数40。投票日:2018年11月24日。決選投票:同12月1日)、内閣総辞職(12月2日)、諮問評議会(定数40。国王による任命制)議員の改選(12月2日)を経て、新内閣が任命された。新内閣の閣僚は以下の通り。

 

役職

氏名

主な経歴

首相

ハリーファ・サルマーン・アール・ハリーファ

1973年から首相。王族。

第一副首相

サルマーン・ハマド・イーサー・アール・ハリーファ

皇太子。バハレーン軍副最高司令官。留任。

副首相

ムハンマド・ムバーラク・アール・ハリーファ

王族。留任。

副首相

アリー・ハリーファ・サルマーン・アール・ハリーファ

王族。留任。

副首相

ジャワード・サーリム・アリード

留任。

副首相

ハーリド・アブドッラー・アール・ハリーファ

王族。留任。

内閣担当相

ムハンマド・イブラーヒーム・ムタッワウ

留任。

内相

ラーシド・アブドッラー・アール・ハリーファ

留任。

外相

ハーリド・アフマド・ムハンマド・アール・ハリーファ

留任。

教育相

マージド・アリー・ヌアイミー

留任。

電力・水相

アブドゥルフサイン・アリー・ミールザー

前エネルギー相。

司法・イスラーム・寄進相

ハーリド・アリー・アブドッラー・アール・ハリーファ

王族。留任。

石油相

ムハンマド・ハリーファ・アール・ハリーファ

王族。留任。

財務・国民経済相

サルマーン・ハリーファ・アール・ハリーファ

王族。新入閣。

公共事業・地方自治・都市計画相

イサーム・アブドゥッラー・ハラフ

留任。

労働・社会開発相

ジャミール・ムハンマド・アリー・フマイダーン

留任。

運輸・通信相

カマール・アフマド・ムハンマド

留任。

住宅相

バーシム・ヤアクーブ・ハマル

留任。

評議院・代議院担当相

ガーニム・ファドル・ブーアイナイン

留任。

保健相

ファーイカ・サイード・サーリフ

女性。留任。

商工相

ザーイド・ラーシド・ザヤーニー

前商工・観光相。

情報相

アリー・ムハンマド・ルマイヒー

留任。

国防担当相

アブドッラー・ハサン・ヌアイミー

新入閣。

青年・スポーツ相

アイマン・タウフィーク・ムアイヤド

新入閣。

 

 

評価

 

 今般の人事は、下院選挙後の慣例の内閣総辞職に伴うもので、下院選挙、諮問評議会の改選とともに行われる定期的な動きである。このため、国防担当相が交替するなどの変化があったものの、長年首相の座にあるハリーファ首相が留任したのをはじめ、主要な閣僚職を王族が占める構成に変化はなかった。

 

一方、国会議員選挙、諮問評議会の改選は、2011年の抗議行動鎮圧後に進められてきた野党勢力の非合法化・排除の方針に沿って行われた。このため、今般の選挙の第1回投票の投票率が67%と発表され(2014年の選挙時は53%。)たとはいえ、政治的和解の推進や国民の政治参加の促進の面で、今後も課題を残すものとなった。なお、非合法化された野党勢力の「ウィファーク運動」は、実際の投票率は30%に達していないと主張している。

 

(主席研究員 髙岡 豊)

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