中東かわら版

№24 イラン:核合意にイランが残留する条件

5月24日付の『シャルク・ル・アウサト』紙(サウジ資本の汎アラブ紙)は、イランが核合意に残る条件として、ハーメネイー指導者がヨーロッパ諸国に要求した5項目について要旨以下の通り報じた。

1.   ヨーロッパ諸国は、国連決議2231号に違反したことを理由にアメリカに反対する決議を発出する。

2.   ヨーロッパは弾道ミサイル問題、イランの地域的な役割を議題にしないことを約束しなければならない。

3.   ヨーロッパはイランに対するあらゆる制裁に対峙し、アメリカの制裁に対抗する。

4.   ヨーロッパは、イラン産石油の購入を保証し、またイラン産の石油が被る損害を補償し、イラン産の石油を購入する。

5.   ヨーロッパの諸銀行は、イランとの貿易を保証する。

また、同指導者は、「我々は第三国と敵対してはいないが、過去を踏まえると第三国を信用していない」と述べた。

評価

 イランは、ヨーロッパにアメリカとの関係を揺るがすような要求をしているが、ヨーロッパ諸国の中でアメリカとの関係を犠牲にしてまでイランに与する国があるとは考えにくい。イランでは、ヨーロッパに対して決済通貨をドルからユーロに変える、ユーロで取引するためにユーロ銀行の設立を呼びかける声もあるが、ドルが世界経済の基本的な通貨になっている以上、ヨーロッパ諸国全体とイランとの関係で考えれば、その実現可能性は高くはないと思われる。

 21日のポンペオ長官の発表に先立ち、イラン側の報道振りではイランと諸外国との経済関係の継続が強調される向きがある。例えば、『イラン学生通信』は19日、ドイツ製品をイランに輸出する際の保険を取り扱うユーラーヘメス信用保険会社は、イランとの協力を続けていく発表したと報道している。他方、ポーランドは22日、核合意離脱をめぐってアメリカ寄りの立場を示している。

 このように、今後のイラン核合意の推移については、ヨーロッパ諸国がイランに対しどのように振舞うかが一つの焦点になると思われる。

(西舘研究員)

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