中東かわら版

№138 GCC:首脳会合の開催

 12月5日、クウェイトにおいて第38回GCC首脳会合が開催され、共同声明が発出された。各国の参加レベルは以下の通り。

 

クウェイト:サバーフ首長

UAE:ガルガーシュ外務担当国務相

バハレーン:ムハンマド・ムバーラク副首相

サウジアラビア:ジュベイル外相

オマーン:ファハド閣僚評議会担当副首相

カタル:タミーム首長

 

評価

 カタル断交危機により、今年は首脳会合の開催も危ぶまれていたが、クウェイトの仲介努力によりGCCの枠組みは維持された。他方、国家元首の出席が主催国であるクウェイトのサバーフ首長と、カタルのタミーム首長の2人に留まったことから、GCC諸国間の不和が協力関係の進展に大きな障害になっている状況に変化はないことが見て取れる。もっとも、国家元首が2人しか参加しなかった首脳会合は2002年や2012年にも例があり、これだけでGCCの重要性の低下を断じることはできない。UAEは2010年、オマーンは2011年を最後に国家元首が首脳会合に参加しておらず、今回も最大でも4人の国家元首の出席しか見込まれていなかった。また、首脳会合に閣僚級が参加することはほとんどないが、2002年にサウジアラビアのサウード・ファイサル外相が参加した例があり、今回のジュベイル外相が初めてではない。

 しかし、首脳会合に王族以外の人物が参加したことは初めてであり、これはサウジアラビアとUAEの明確なサインと言えよう。特にUAEは2000年以降、大統領か副大統領(ドバイ首長)のどちらかが出席しており、外相(王族)より更に一段レベルの低い外務担当国務相(非王族)を送ったことは、カタルに対するメッセージを意味しているのだろう。また、サウジアラビアとUAEはGCC首脳会合の同日に新たに合同協力委員会を設置することを発表しており、GCCの枠外において協力を強化する方針を示している。

 他方、同じくカタルとの断交で協調してきたバハレーンが、サウジ・UAEと足並みを揃えられていないことには違和感がある。過去10年以上国王が出席していたバハレーンで、副首相が派遣されたことは明らかな変化と言えるが、サウジ・UAE同様外相ないし非王族を派遣しなかったことには疑問が残る。サウジ・UAEの合同協力委員会発足にもバハレーンは関与しておらず、三カ国の間にも微妙な温度差が生じていることが見て取れる。

(村上研究員)

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