中東かわら版

№186 エジプト:内閣改造(第2次イスマーイール内閣)

 3月23日、シーシー大統領は内閣改造を発表し、下記の10人が新たに入閣した(第2次イスマーイール内閣)。昨年末に議会選挙が終わり、新憲法に基づく議会が成立したことを受けての内閣改造である。

運輸相

ガラール・サイード

元運輸相(2011-2013);元カイロ県・ファイユーム県知事

法相

ムハンマド・アブドゥルラヒーム

前破毀院長官

民間航空相

シャリーフ・ファトヒー

前エジプト航空社長

財務相

アムル・ガールヒー

前Qalaa Holdings企業財務部長;元National Investment Bank頭取

水資源・灌漑相

ムハンマド・アブドゥルアーティー

ルネサンス・ダム3カ国会議のエジプト交渉団長

公共部門相

アシュラフ・シャルカーウィー

元エジプト金融監督庁長官

考古学相

ハーリド・アナーニー

前大エジプト博物館館長

労働力相

ムハンマド・サアファーン

エジプト労働組合総連合副会長;エジプト石油化学ホールディングス社長

観光相

ムハンマド・ヤフヤー・ラーシド

前Al-Kharafiグループ・ホテル観光部門責任者

投資相

ダリヤ・フールシード

女性;前オラスコム建設産業企業財務部長;元Citigroup(ドバイ)副社長

 

評価

 今回の内閣改造の対象は、在任中に起きた問題が更迭理由となったポストと、経済開発担当のポストに分かれる。更迭されたアフマド・ジンド法相は以前から反ムスリム同胞団の急先鋒として知られており、最近は「警官1人が殉教するたびにムスリム同胞団員1万人が殺されるべき」と発言し、これが国内外のメディアで問題発言として報じられた。さらに、治安機関による人権侵害を取材するジャーナリストが次々に逮捕されている現状についてテレビ番組でインタビューされた際、「たとえ預言者ムハンマドであっても逮捕される」と発言し、SNSやアズハル機構から批判を浴び、3月13日に辞任に追い込まれた。ギユーシー運輸相の更迭は頻発する列車事故や幹線道路での自動車事故が原因と考えられ、新運輸相には長年の課題である全国レベルの交通インフラシステムの改革が期待される。

 その他の閣僚入れ替えは全て経済開発に関連するポストで行われ、経済回復が政府の最重要課題であることを改めて示した形となる。観光相、民間航空相、考古学相という観光関連閣僚が全て交代となったのは、エジプトの外貨収入の大部分を占める観光部門を復活させたい政府の意図の表れである。公共部門相ポストは、2004年から投資省傘下にあった国営持ち株会社の収益向上を任務とし、投資省から分離・設置された。

(金谷研究員)

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