中東かわら版

№51 イラン:核交渉の期限を7月7日まで延長

 P5+1とイランは、6月末とされていた交渉期限を延長し、7月7日を新たな期限として設定した。2013年11月に結ばれたジュネーブ暫定合意に基づき、2014年1月から開始された最終合意に向けた交渉は、2014年7月、2014年11月にそれぞれ交渉期限の延長が発表され、2015年3月末までに枠組み合意、6月末までに最終合意を目指すものとされていた。現在ウィーンには交渉参加国の外相が集っており、新たに設定された期限まで交渉を継続するものと見られている。

 

評価

 1週間の交渉延長は、最終合意に向けてかなりの程度まで議論が詰められてきている、あるいは、議論が詰められることが期待されているということを意味しよう。28日夜にザリーフ外相が国内協議のため一時帰国し、30日にウィーンに戻った後に期限延長が発表されたことは、象徴的な動きであった。

 現在の協議では、①イランへの制裁をいつ、どのように解除するのか、②イランによる核関連の研究・開発にどの程度の制限を課すのか、③査察に軍事施設を含むのか、などが盛んに議論されていると見られている。ハーメネイー最高指導者やオバマ米大統領など、双方の最高指導者レベルが「レッドライン」を明言していることから、両者とも安易な妥協をしたと見られるような合意を結ぶことは難しい状況である。

 仮に7月7日までに交渉がまとまらなかったとしても、これまで同様交渉期限を数カ月先に再設定し、交渉を延長する公算が高い。議会を中心に国内に反対派を抱えながらも、米・イランともに政府は合意締結に至ることの利益が大きいからである。30日の期限延長発表後、オバマ米大統領は、イランによる核兵器獲得へのあらゆる道がふさがれないのであれば合意はないと述べたが、1年半にわたる交渉が決裂に終わった場合は、政府の責任を問う声が高まろう。

(村上研究員)

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