中東かわら版

№5 イスラエル・米国:イラン核問題での枠組合意を批判

 イランとP5+1がイランの核問題で枠組合意したことについて、イスラエルは予想通り強く反発した。オバマ大統領は、4月2日の合意直後、ネタニヤフ首相に電話をしてイランとの合意内容を説明し、米国のイスラエル支援に変わりがないことを伝えた。ネタニヤフ首相は、今回の合意はイスラエルの未来を危うくすると述べたと報道されている。ネタニヤフ首相は、3日に安全保障閣議を開催した際、最終的な包括的合意の中で、イランがイスラエルの生存権を認めることを新たに要求している。

 ネタニヤフ首相は、5日、米国の複数のメディアと会見し、枠組合意は不十分であるとの非難を繰り返した。他方オバマ大統領は、5日の米『NYT』紙でコラムニストのトーマス・フリードマンのインタビューを受け、今回の枠組合意が実現可能な最良の結果であると述べた。4月6日、イスラエルのステインニッツ戦略・情報担当相が外国人記者団と会見し、イスラエル側から見る今回の枠組合意の問題点について説明している。この時の説明内容は報道されていないが、米『NYT』紙(6日付)は、洗練された批判だったと報道している。イスラエルの『ハアレツ紙』(7日付)は、政府筋の話として、イスラエルの枠組合意への対応策は2つあると報道した。一つは米国議会に対して最終合意が議会の承認が必要な形になるよう働きかけること、もう一つは枠組合意の修正すべき内容についてホワイトハウスと協議し合意文章の形にすることだとしている。

評価

 

ネタニヤフ首相は、枠組合意は完全ではない、合意はイスラエルの不安を解消しない、イランは信用できないとの感情論的な主張を繰り返し、「良い合意」を求めるよう強く要求した。ネタニヤフ首相の一連の感情的な発言にオバマ大統領は冷静に対応しているが、ネタニヤフ首相がイランにイスラエルの生存権を認めるよう求めたことについては、6日の『ナショナル・パブリック・ラジオ』との会見で根本的な見当違いだと批判している。

 注目されるのは、『NYT』紙が洗練された批判と表現したステインニッツ戦略・情報担当相の説明である。イスラエルの軍・治安当局が持つ不安点や不満点を、内々に米国と協議できるような体制を作ることができれば、イスラエル側の不満や不安は軽減されるかもしれない。

(中島主席研究員)

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