イベント情報

7.20 第2回「ペルシア湾岸地域を取り巻く国際情勢と海洋の安全保障」研究会

  • その他の行事
  • 公開日:2017/07/21

1.第2回研究会概要

日時:平成29年7月20日(木)

場所:中東調査会

時間:18時30分~20時30分

出席者:今井宏平(アジア経済研究所研究員)、栗田真広(防衛研究所研究員)、小泉悠(未来工学研究所研究員)、溝渕正季(名古屋商科大学准教授)、村野将(岡崎研究所研究員)、八塚正晃(防衛研究所研究員)、中東調査会:金谷、村上

 

2.研究報告

報告者: 栗田真広・防衛研究所研究員

タイトル:グワダル港開発をめぐる動向

概要:パキスタンのグワダル港開発には中国が関与していることから、中国の海軍基地化の可能性について取り沙汰されてきた。パキスタンにとってはインドへの対抗などの観点から中国海軍の拠点化を歓迎する思惑があり、中国にもマラッカ・ ディレンマの解消といった利点があると指摘されている。2015年に中パ経済回廊(CPEC)が正式に発表されると、 グワダルは中国のカシュガルに至る輸送網の中核に位置付けられた。一方、グワダル港の開発はインドを刺激しており、 インドはイランのチャバハール港への投資を促進している。しかし、イランはCPECへの参加を希望するなど、グワダルとチャバハールを競合するものと捉えておらず、インドとの認識のずれもある。実際にグワダル港を中国が基地化するのかに関しては、かつてそれをパキスタン側が要請したこともあったものの、近年では両国ともに否定してきていたところ、昨年秋ごろから同港付近での中国の軍事プレゼンス拡大の兆候が見られる。ただしグワダルの今後の方向性は、CPECの商業的な成功やロシアなど諸外国の思惑、パキスタン国内の他の海軍基地との役割分担に左右されるだろう。

 

報告者:村上拓哉・中東調査会研究員

タイトル:サウジアラビアの海軍増強計画:イランの脅威への対処と紛争地の拡大

概要:米軍の湾岸地域への関与の低下などから、サウジアラビアで海軍増強計画(SNEP II)が進められている。これはイランへの対抗を目的に、80年代に調達した艦船を最新鋭の沿海域戦闘艦などに入れ替える ことを予定している。サウジの元海軍司令官が関与した非公式の報告書によると、サウジは国土安全保障のため近海での戦略的なプレゼンスを発揮することを目標に、作戦領域を従来の紅海・ ペルシア湾の外に拡大し、 アラビア海まで戦力投射をすることを目指すべきとしている。 実際、イエメン紛争の影響により、アデン湾でのサウジ・ イラン間の対立など、紛争地は拡大する傾向を見せている。こうしたサウジの海軍増強計画により、サウジ海軍が米軍の役割を一部代替していくようになると、サウジ・イラン間で偶発的衝突が発生する確率が高まり、場合によってはエスカレーションのコントロールが困難になる恐れもあるだろう。

 

※本研究会の成果は、2018年1月末発刊の『中東研究』 第531号および2018年2- 3月に開催予定の連続講演会で発表する予定です。

 

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