講演会の報告

6. 6 中東情勢分析発表会(髙岡上席研究員)

  • 講演会の報告
  • 公開日:2016/06/07

 2016年6月6日(月)14:00~15:30、フォーリン・プレスセンター「会見室」にて、第14回「中東情勢分析発表会」を開催いたしました。

 

報告者:髙岡 豊(たかおか ゆたか)中東調査会上席研究員

演 題:「部族の視点からシリア紛争を展望する」

 

 本報告では、シリアの政治・社会で依然として相当の影響力を持つと共に、政権側から常時取り込みなどの操作・干渉の対象とされてきた部族の視点から紛争を分析しました。「宗派紛争」などの二項対立からの解釈に陥らず、紛争当事者、特にシリア国内の当事者たちが、宗教・宗派的帰属だけでなく地縁・血縁、党派、階級、居住地などさまざまな事情に応じて紛争への対応を決定しているプロセスを見ることの重要性が指摘されました。質疑応答では、外部要因の紛争への影響、実際のアサド政権の支持率などに関する質問がありました。

この分析発表会は、中東調査会の研究員が担当地域・国の情勢について中・長期的な視点から分析を行い、その成果を発表するとともに、参加者の方々と意見交換を行う場です。多くの方からの申込を頂き、盛会となりました。ご参加ありがとうございました。

 

研究員略歴

 

髙岡 豊(たかおか ゆたか)中東調査会上席研究員

 

職歴

2014年  5月~ 中東調査会上席研究員
2011年  4月  中東調査会研究員(~2014.4)
2008年11月  中東調査会協力研究員、上智大学研究補助員(~2011.3)
2006年10月  中東調査会研究員(~2008.10)
2003年  4月  中東調査会非常勤研究員(~2006.9)
2000年  4月  在シリア日本国大使館専門調査員(~2003.3)

 

学歴

2011年  3月  博士号取得 (上智大学)
2000年  3月  上智大学大学院外国語研究科博士課程前期修了(修士号)
1998年  3月  早稲田大学教育学部卒業

 

主要な出版物

<単行本>

(2011)(単著)『現代シリアの部族と政治・社会 : ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の部族の政治・社会的役割分析』 三元社

(2014)(共著)青山弘之編 「シリア-「真の戦争状態」が必要とする「独裁」政権」 『「アラブの心臓」に何が起きているのか――現代中東の実像』 29-54頁、岩波書店

(2014)(共著)吉岡明子、山尾大編「「イスラーム国」とシリア紛争」 『「イスラーム国」の脅威とイラク』177-202頁、岩波書店

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