『タリバン台頭──混迷のアフガニスタン現代史』
青木健太著『タリバン台頭──混迷のアフガニスタン現代史』(岩波書店、2022年3月)が発刊されました。
[内容説明]
「テロとの戦い」において「敵」だったはずのタリバンが、再びアフガニスタンで政権を掌握した。なぜタリバンは民衆たちに支持されたのか。恐怖政治で知られたタリバンは変わったのか、変わっていないのか。アフガニスタンが生きた混迷の時代には、私たちが生きる現代世界が抱えた矛盾が集約されていた。
[目次]
序章 政権崩壊
第一章 「失われた二〇年」(二〇〇一~二〇二一年)
1 「外発的」だったイスラーム共和国の成立過程
2 アメリカの対アフガニスタン政策の変遷
3 ターリバーンの強靱性
第二章 ターリバーン出現の背景(一九九四~二〇〇一年)
1 無秩序状態にあった内戦時代
2 「世直し運動」の始まり
3 諸外国との関係
第三章 伝統的な部族社会アフガニスタン(一七四七~一九九四年)
1 ドゥッラーニー朝における統治
2 部族統治の実態
3 保守的なアフガニスタン社会
第四章 ターリバーン支配下の統治
1 ターリバーンの思想体系
2 ターリバーン暫定政権の指導体制と統治方針
3 女性の権利保障を含む多くの争点
第五章 周辺国に与える影響
1 歴史的に見た外部からの干渉と介入
2 アメリカ軍撤退と中国、ロシア、近隣諸国の台頭
3 域内パワーバランスの変容がもたらす影響
第六章 「テロの温床」化への懸念
1 ターリバーンと国際テロ組織
2 「イスラーム国ホラーサーン州」が投げかける脅威
3 監視の目を行き届かせるには
終章 内発的な国の発展とは
参考文献
図出典一覧
あとがき
関連年表