『中東研究』関連出版物

『アフガニスタンを知るための70章』

前田耕作・山内和也編『アフガニスタンを知るための70章』(明石書店、2021年9月)が発刊されました。第15章「商業、バザール経済、地域経済、ハワーラ――公式・非公式の仕組みが共存するアフガニスタン商業活動の諸相」を青木研究員が執筆しています。

前田耕作・山内和也編『アフガニスタンを知るための70章』(明石書店、2021年9月)

[内容説明]
東西冷戦や宗教原理主義の台頭、いわゆる「テロとの戦い」の舞台となるなど、数十年にわたり苦しい状況に置かれているアフガニスタン。日本との国交樹立90周年を迎えるにあたり、その歴史と文化、人びとの暮らしを、平和と復興への期待を込めて幅広く紹介する。


[目次]
 はじめに――アフガニスタンとはなにか
 アフガニスタン概略全図

Ⅰ アフガニスタンの国の輪郭

第1章 国の形と統治機構――国民国家アフガニスタンの相貌
第2章 アフガニスタンの風土――多様な自然環境と景観
第3章 多民族が織りなす社会――言語・宗教・文化の交流と共存
第4章 アフガニスタンにおける「民族」対立の構造――パシュトゥンによる国民統合の歴史からみる分断

Ⅱ 国の歩み

第5章 アフガニスタンの曙――旧石器時代~鉄器時代
第6章 アレクサンドロスの東方への夢――バクトリアとソグディアナ
第7章 クシャン朝――東西交易と花開く仏教文化
第8章 西方と北方からの侵入者たち――ササン朝、フン、イスラム
第9章 ドゥラニ朝の時代――アフガニスタン政治史とパシュトゥン人
第10章 「グレート・ゲーム」の時代におけるアフガニスタン――19世紀から20世紀初頭の政治動態
第11章 王政の廃止、ソビエト軍の侵攻、内戦、タリバン政権――国際情勢の荒波にもまれて
第12章 アフマド・シャー・マスード――国民的英雄の素顔
 【コラム1】アフガニスタンの教育システムと教科書からみる学校教育

Ⅲ 生活の基盤

第13章 現代アフガニスタン経済事情――課題と活路
第14章 近年のアフガニスタン経済動向――混乱する国内情勢と困難な農業復興
第15章 商業、バザール経済、地域経済、ハワーラ――公式・非公式の仕組みが共存するアフガニスタン商業活動の諸相
第16章 アフガニスタンの環境問題とごみ――カーブルにおける廃棄物管理
第17章 アフガニスタンの医療事情――厳しい自然環境や道路事情、宗教、伝統が課題
第18章 苦しい家計事情――なくならない貧富の差と貧困層
 【コラム2】アフガニスタンの手織り絨毯
 【コラム3】意外と似ている日本とアフガニスタン

Ⅳ 多声的な文化

第19章 アフガニスタンの人びとの一生――誕生から冠婚葬祭、宗教行事から儀礼まで
第20章 アフガニスタンの人びとの暮らし――民族や宗教で異なる衣食住
第21章 アフガニスタンのコミュニケーション事情――戦後変化を遂げたマスメディアと娯楽
第22章 アフガニスタン人の娯楽と芸能模様――演劇・音楽・舞踊について
 【コラム4】ブズカシ
第23章 映画から見たアフガニスタン――外部者の眼から映像の自己表現へ
第24章 アフガニスタンの遊牧民――その歴史と多様性
第25章 パシュトー文学と「ダリー語文学」の形成――20世紀における国民統合政策との連関
第26章 おしゃれ好きのアフガン人――既製服よりオーダーメイドが主流、古着だってコーディネート
第27章 歌詞を通じてみるアフガニスタンの心――愛する人や故郷への想い
 【コラム5】ヘラートの細密画(ミニアチュール)

Ⅴ 文明の十字路

第28章 オクソスの流れ――多様な文化をつなぐ象徴
第29章 黄金のバクトリア――ティリア・テペ
第30章 漢籍史料からみたアフガニスタン――7世紀から8世紀を中心に
第31章 仏像の誕生――怖れを知らぬ獅子
第32章 求法僧の道――玄奘がたどったアフガニスタン
第33章 メス・アイナク遺跡群――埋もれた仏教都市
第34章 マルコ・ポーロの道――正確なそして夢を誘う記述
第35章 イスラムが残した建築――土着の建築伝統に刻まれた文化往来の軌跡
第36章 アジア・ハイウェイ――首都カーブルで東西幹線AH1と南北幹線AH7が交差
第37章 ラピス・ラズリ交易の中核地としてのアフガニスタン――不正採石・密輸問題を中心に
 【コラム6】悲劇に見まわれ続けるジャムのミナレット

Ⅵ アフガニスタンの旅

第38章 アフガニスタンとヨーロッパ――フランスとの出会い
第39章 アフガニスタンの動物と保護区――過酷な環境に生きる生き物たち
第40章 バーミヤン――光り輝く土地
第41章 カーブル――国の激動の歴史を体現している都市
 【コラム7】駐アフガニスタン日本公使館のはじまり
 【コラム8】カーブルの日々
第42章 マザーレ・シャリフ――白鳩舞う紺碧の墓標
第43章 ヘラート――文化香る古都
第44章 カンダハール――アフガニスタンの古都に2004年に訪れる
第45章 ガズニ――かつての文化センター都市
第46章 改宗の光があてられたヌーリスタン――山の伽藍、光の国の饗宴
第47章 ワハン回廊――今も生きるグレート・ゲームの狭間
 【コラム9】チェル・ボルジ紀行

Ⅶ 日本とアフガニスタン

第48章 日本とアフガニスタンの出会い――なぜか心かよう二つの国
第49章 裸の眼で都市文明を射る――東松照明著『サラーム・アレイコム』をめぐって
第50章 アフガニスタンの陶器作り――古代からつづく伝統的な製法
第51章 NGOの支援活動――子ども・若者・成人への教育支援を中心として
第52章 日本に住むアフガニスタン人――千葉県に4割以上
第53章 文化遺産を護る――平山郁夫画伯の取り組み
第54章 アフガニスタンとメディア――どう伝えてきたのか
第55章 アフガニスタンにおける日本の学術調査――自らの目で現地を見る
 【コラム10】ヒンドゥクシュ山脈に蝶を追って

Ⅷ 戦後復興

第56章 「地雷」と生きる――被害の現状と課題
第57章 難民問題と国連組織の活動――帰還民とIDPへの支援
第58章 アフガン女性と人権――ジェンダー差別とジェンダーにもとづく暴力の視点から
第59章 10人のうち6人が文字を読めない社会での教育――識字の大きな役割
第60章 アフガニスタンの麻薬・違法薬物――アヘン・ヘロインと新たな脅威・覚せい剤、日本の支援
第61章 学校を造る――バーミヤンでの学校建設とその後の交流
第62章 羽ばたけ、山の学校の子どもたち――支援・現実・夢
第63章 井戸を掘り、水路をうがつ――中村哲とPMSの活動
第64章 復興への日本の貢献――外交と安全の間で
第65章 文化遺産の継承――命を懸けて引き継ぐ歴史
 【コラム11】アフガニスタン、旅の歌・歌の旅

Ⅸ アフガニスタンはどこへ向かうのか

第66章 統合か、分裂か――再生への模索
第67章 アフガニスタンをめぐる利権――他国の国益・利権をめぐる思惑に振り回されるアフガニスタン
第68章 テロはなぜ起こるのか?――もうひとつのサウジアラビアの「輸出品」
第69章 新たなアフガニスタンをめざして――新生アフガニスタンに立ちはだかる高い壁
第70章 明日への希望――アフガニスタン人との絆
 【コラム12】幻想の未来

 補論 アフガニスタン情勢の変化

 あとがき

 資料2 アフガニスタンと日本の交流・年譜
 資料1 アフガニスタンを知るための文献・映像


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