『中東研究』ご案内

『中東研究』第535号発行のお知らせ

『中東研究』第535号(2019年度Vol.Ⅰ)が発行されました!

本号では、「中東におけるメディアと政治」と題する特集を組み、世界的にみても国家による情報統制が厳しい中東諸国において、情報を発信するメディアと政治の間に何が起きているのかを明らかにしていきます。

所収論文では、中東諸国における最近の報道規制強化の背景とさまざまな規制方法(千葉悠志)、「アラブの春」後も続く厳しいインターネット・コントロール政策とこれが許容される世論の状況(山本達也)、中東主要メディアにおける政治的思惑を反映した報道の実態(吉村寿郎)、イランにおける国家の情報統制と政治勢力によるメディアの道具化(松永泰行)、トルコにおけるメディアと権力のクライエンタリズム構造(阿部るり)、などが議論されております。

このほか「最近の動向」では、ムバーラク期とは異なる強権的な権威主義体制を築きつつあるシーシー体制の特徴について分析しています(金谷美紗)。

 

本号にも、昨今の中東情勢を見通すべく、時宜にかなった論文が多数集まりました。是非お手にとってご覧いただければ幸甚です。

 

目次

【特集:中東におけるメディアと政治】

中東における報道規制――近年の動向と統制方法の多様化に着目して/千葉 悠志

中東におけるインターネット・コントロールをめぐる状況の変化と今後の展望/山本 達也

アル=ジャジーラとアル=アラビーヤ 対極的な報道をどう見るか――ハーショグジー氏殺害事件を例に/吉村 寿郎

イランにおけるメディアと政治――国家による情報統制と政治勢力による道具化/松永 泰行

トルコにおけるメディアと政治――1990年代から公正発展党政権下におけるメディアをめぐる構造的問題/阿部 るり

【最近の動向】

シーシー体制の特徴に関する予備的考察――軍による統治、政党の弱体化、司法の従属化/金谷 美紗

【書評】

ナディア・ムラド、ジェナ・クラジェスキ 著 吉井 智津 訳

『The Last Girl――イスラーム国に囚われ、闘い続ける女性の物語』/小早川 敏彦

山岸 智子 編著

『現代イランの社会と政治――つながる人びとと国家の挑戦』/近藤 百世

 

 

定価:(本体2,000円+税) ※送料別

※『中東研究』は紙版の他、セキュリティ付きのPDFファイルによるCD/DVD版も販売しております。

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