№49 パレスチナ:イスラエルのガザ地区再占領作戦開始
2025年8月20日、イスラエル軍はガザ市制圧作戦の最初の措置を開始したと発表した。イスラエル軍の報道官によると、同軍はガザ市郊外の複数個所を制圧している。
この発表について、ハマースは報道談話を発表し、「テロリズム占領軍(注:イスラエル軍のこと)による作戦開始発表は22カ月以上続くジェノサイド戦争への執着と、停戦・捕虜交換のための仲介者の努力への無関心を象徴している」と非難した。また、この報道談話は、「今般のシオニストの頑迷さを前に、仲介者たちにパレスチナ人民に対するジェノサイド犯罪と飢餓を止めるため占領者に対し最大限の圧力を行使するよう呼びかける。占領者とアメリカ政府がこの犯罪的作戦の影響について完全に責任を負う」と表明した。
評価
今般の展開は、ガザ地区での人道状況が一段と悪化したことやイスラエルのネタニヤフ首相による「大イスラエル」構想についての発言を受けて「仲介諸国」が停戦に向けた動きを強めている中でのことである。ここから、「ハマース殲滅」なり「人質全員の一括解放」なりを標榜するイスラエルの軍事作戦が、停戦のための諸当事者の働きかけとは無関係に進行することが一層明らかになった。また、ガザ地区での人道状況の悪化を受け、イスラエルに対する国際的な非難が高まり、「パレスチナ国家」承認の動きが広がっているが、これらも現場での状況の改善にさしたる影響を及ぼしていない。こうした現状に鑑みると、パレスチナでの攻撃や人道状況の悪化を止める実効的な手段は見当たらず、イスラエルによるガザ地区再占領、ひいてはパレスチナ人の強制移住なども既成事実として着々と積み重なっていくことだろう。
(特任研究員 髙岡 豊)
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