№35 イスラエル:ガザ地区全住民を収容する「人道都市」構想
2025年7月7日、カッツ国防相は記者会見で、ガザ地区南部ラファフ跡地での「人道都市」建設計画を進めるよう、国防軍(IDF)と国防省に指示したと述べた。人道都市は、ラファフ郊外、沿岸部のマワーシー地区で避難生活をする約60万人のパレスチナ人を、ハマース工作員が含まれていないかのスクリーニングを経て、移住させるためのものである。同相の構想によれば、最終的にはガザ地区の民間人全員を同都市に集め、内部に外部からの支援物資配給所を4カ所設置するという。同都市の管理はIDFではなく国際機関によって管理・運営されるとのことだが、どの機関なのかは未定である。また期間等の詳細は不明ながら、パレスチナ人は同都市から出ることは許されないと、カッツ国防相は付け加えた。
評価
人道都市は、200万人を超えるガザ地区のパレスチナ人全てを収容する計画であり、ガザ戦争の目的であるハマースの壊滅に沿ったものである。一方、ガザ地区の全住民の強制移住を前提とするこの計画に積極的に協力する国際機関を見つけるのは難しく、おそらくイスラエル側が念頭に置くのは、米国が支援するガザ人道財団(Gaza Humanitarian Foundation)であろう。ガザ地区をハマースから解放する同計画は、連立政権を支える宗教シオニスト勢力からも概ね支持されている様子で、ネタニヤフ首相としては同計画を推し進めることで政権内の基盤強化も見据えていると考えられる。7日以降、ネタニヤフ首相は米国でトランプ大統領らと会談を重ねており、その直前に述べられた人道都市構想における、米国との具体的な協力のあり方についても協議がなされるものと思われる。
(研究主幹 高尾 賢一郎)
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