中東かわら版

№4 クウェイト:過去3年で7度目の内閣発足

 2023年4月9日、アフマド・ナウワーフ首相が新閣僚とともにミシュアル皇太子を訪れて就任の宣誓を行い、これを経て同日、首長令を通して以下の新内閣が発足した(●新任)。内閣発足は過去3年で7度目となったことが注目を集めている。

 

役職

氏名

1

首相

アフマド・ナウワーフ・アフマド・サバーフ(王族)

2

第一副首相

内相

国防相代行●

タラール・ハーリド・アフマド・サバーフ(王族)

3

副首相●

内閣担当国務相●

ハーリド・アリー・ムハンマド・ファーディル

4

副首相

石油相

議会担当国務相●

バドル・ハーミド・ユースフ・ムッラー

5

地方自治担当国務相●

通信・情報技術担当国務相●

ファーディル・アリー・ザーイド・シャーラ

6

情報相

青年担当国務相

アブドゥルラフマーン・バダーフ・アブドゥルラフマーン・ムタイリー

7

保健相

アフマド・アブドゥルワッハーブ・アフマド・アウディー

8

公共事業相

アマーニー・スレイマーン・アブドゥルワッハーブ・ブーカマーズ(女性)

9

教育相

高等教育・科学研究相

ハマド・アブドゥルワッハーブ・ハマド・アドワーニー

10

外相

サーリム・アブドッラー・ジャービル・サバーフ(王族)

11

社会・地域開発相

女性・子供担当国務相

マイ・ジャーシム・ムハンマド・バグリー(女性)

12

司法相●

ワクフ・イスラーム事項相●

アーミル・ムハンマド・アリー・ムハンマド

13

電気・水・再生可能エネルギー相●

住宅相●

ムトラク・ナーイフ・ウマル・アブー・ラクバ・オタイビー

14

商工相●

ムハンマド・ウスマーン・ムハンマド・アイバーン

15

財務相●

経済・投資担当国務相●

マナーフ・アブドゥルアジーズ・アスハク・ハージリー

 

評価

 今般の新内閣発足は、2022年10月に発足した第二次アフマド・ナウワーフ内閣が、わずか3カ月後となる2023年1月に総辞職に至ったことを受けたものである。アフマド・ナウワーフ首相の再任は3月に決まったが、その後の新内閣発足には約1カ月を要した。新たな陣容で注目を集めたのは財務相の交代である(上表15)。ラシード前財務相は野党系議員から突き上げを食らっており、今次の交代はそれを反映した形となった。

 一方で対外的には、財務相交代以上に、3年間で7度目という内閣発足の頻度の高さに関心が集まっている。建国間もない時期から議会制を導入し、民選議員が存在する同国だが、それが民主主義の象徴になるどころか、政治的な麻痺を生んでいるのが実情だ。

(研究主幹 高尾 賢一郎)

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