№36 バハレーン:最大規模の内閣改造を発表
- 2022湾岸・アラビア半島地域バハレーン
- 公開日:2022/06/16
2022年6月13日、国王令に基づいて以下表の通り内閣改造が発表された。バハレーン史上最大規模の内閣改造と伝えられるように、ポストの新設・統合とそれに伴う異動の数の他、王族閣僚の少なさや女性閣僚の多さにおいても過去になかった動きとして注目を集めている。
役職 |
氏名 |
首相 |
サルマーン・ビン・ハマド(王族、皇太子) |
副首相、★インフラ相 |
ハーリド・ビン・アブドッラー(王族) |
内相 |
ラーシド・ビン・アブドッラー(王族) |
外相 |
アブドゥルラティーフ・ビン・ラーシド・ザイヤーニー |
財務・国民経済相 |
サルマーン・ビン・ハリーファ(王族) |
教育相 |
マージド・ビン・アリー・ヌアイミー |
★労働相(社会開発相と分離) |
ジャミール・ビン・ムハンマド・アリー・フマイダーン (前労働・社会開発相) |
内閣担当相 |
ガーニム・ビン・ファドル・ブーアイナイン● |
産業・商業相(観光相と分離) |
ザーイド・ビン・ラーシド・ザイヤーニー |
国防相 |
アブドッラー・ビン・ハサン・ヌアイミー |
青年・スポーツ相 |
アイマン・ビン・タウフィーク・ムアイイド |
都市・農業相(雇用相と分離) |
ワーイル・ビン・ナーシル・ムバーラク |
★石油・環境相(石油相と環境相が統合) |
ムハンマド・ビン・ムバーラク・ビン・ダイナ(前気候問題担当特使) |
交通・通信相 |
ムハンマド・ビン・サーミル・カアビー● |
★雇用相(都市・農業相と分離) |
イブラーヒーム・ビン・ハサン・ハワージュ |
★法律問題相 |
ユースフ・ビン・アブドゥルフサイン・ハラフ |
★社会開発相(労働相と分離) |
ウサーマ・ビン・アフマド・ハラフ・アスフール |
電気・水相 |
ヤーシル・ビン・イブラーヒーム・フマイダーン● |
保健相 |
ジャリーラ・ビント・サイイド・ハサン・ジャワード●(女性) |
司法・イスラーム・ワクフ相 |
ナウワーフ・ビン・ムハンマド・マアーワダ● |
内閣担当相 |
ハマド・ビン・ファイサル・マーリキー |
★住宅・都市計画相(住宅相と都市計画相が統合) |
アーミナ・ビント・アフマド・ルマイヒー(女性) |
★持続可能開発相 |
ヌール・ビント・アリー・フライフ(女性) |
★観光相(産業・商業相と分離) |
ファーティマ・ビント・ジャアファル・サイラフィー(女性) |
情報相 |
ラムザーン・ビン・アブドッラー・ヌアイミー● |
★は新設ポスト(したがって新任)、●は既存ポストの新任
評価
今般の内閣改造については、新しい考えを取り込んで公的機関を活性化させるといった趣旨がサルマーン皇太子(首相)より述べられた。実際、新内閣については正確な数字は不明ながらかつてない「若返り」が図られたとの評価が見られ、おそらくこの一環で4人いた副首相が1人になったことも注目すべきであろう。ハリーファ・ビン・サルマーン前首相の息子で、内閣の常連であったアリー・ビン・ハリーファ副首相が内閣を去ったことを象徴的と捉える報道も見られる。新内閣の課題としては、経済多角化やコロナ禍からの経済回復が掲げられているものの、ひとまずはこうした世代交代の方向づけが今次の内閣改造の本旨と考えられる。
(研究員 高尾 賢一郎)
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