№121 モロッコ:内閣改造(第3次ウスマーニー内閣)
2019年10月9日、ウスマーニー首相は内閣改造を行い、ムハンマド6世国王が以下の閣僚を任命した(第3次ウスマーニー内閣)。10月1日に、進歩社会主義党(PPS)が「連立与党内の統一と連帯の欠如」や「連立政府の開発政策の失敗」を理由に連立を離脱したため、今次内閣にはPPS出身者は含まれていない。
首相 |
サアドッディーン・ウスマーニー |
PJD |
人権・議会関係担当国務大臣 |
ムスタファー・ラミード |
PJD |
内相 |
アブドゥルワーフィー・ラフティート |
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外務・アフリカ協力・在外モロッコ人相 |
ナーシル・ブーリータ |
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法相 |
ムハンマド・ベンアブドゥルカーディル |
USFP;前首相付き大臣行政改革・公務員担当 |
ワクフ・イスラーム問題相 |
アフマド・タウフィーク |
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内閣官房長官 |
ムハンマド・ハジュウィー |
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経済・財務・行政改革相 |
ムハンマド・ベンシャアブーン |
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農業・漁業・地方・水・森林開発相 |
アジーズ・アフヌーシュ |
RNI党首 |
国民教育・職業訓練・高等教育・科学研究相 |
サイード・アムザージー |
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保健相 |
ハーリド・アイト・ターリブ |
前ハサン2世大学病院センター長 |
産業・貿易・デジタル経済相 |
ムーラーイ・ハフィーズ・アラミー |
RNI |
設備・運輸・物流・水相 |
アフドゥルカーディル・アウマーラ |
PJD |
国土管理・建設・住宅・都市政策相 |
ネズハ・ブーシャールブ |
MP;環境・開発専門家;女性 |
観光・伝統工業・空運・社会経済相 |
ナディヤ・ファッターフ・アラウィー |
前保険会社取締役会長;女性 |
エネルギー・鉱業・環境相 |
アジーズ・ラッバーフ |
PJD |
雇用・職業統合相 |
ムハンマド・アムクラーズ |
PJD;スーサ=マサ地方党支部長;2011-16年下院議員 |
文化・青年・スポーツ相/内閣報道官 |
ハサン・アビヤーバ |
ハサン2世大学教授(教育学) |
連帯・社会開発・平等・家族相 |
ジャミーラ・ムサッリー |
PJD;2015-17年元高等教育・科学研究相付き国務相;女性 |
首相付き国防担当相 |
アブドゥルラティーフ・ルーディイー |
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内相付き大臣 |
ヌールッディーン・ブータイイブ |
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外務・アフリカ協力・在外モロッコ人相付き大臣 |
ムフシン・ジャズーリー |
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外務・アフリカ協力・在外モロッコ人相付き在外モロッコ人担当相 |
ノズハ・ワーフィー |
PJD;前エネルギー・鉱物・持続可能発展相付き書記 |
国民教育・職業訓練・高等教育・科学研究相付き大臣高等教育・科学研究担当 |
イドリス(ドリス)・アウィーシャ |
アフワイン大学学長 |
評価
今回の内閣改造の背景には、ムハンマド6世国王が7月末の即位20周年演説で政府の社会経済開発政策の進捗の遅さに不満の意を表し、迅速な実施のために内閣の改造を示唆したことがある。そのため、新たな人物が任命された閣僚ポストの多くは、雇用創出、職業訓練、若者対策、開発政策に関係するポストである。法相ポストに関しても、社会経済開発問題を原因とするリーフ地方抗議の活動家の訴訟で市民社会側から不満が出ていることが、交代の理由の一つであろう。
(研究員 金谷 美紗)
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