中東かわら版

№97 クウェイト:内閣改造

 2018年12月24日、サバーフ首長は2018年首長令373号を発出し、以下の通り内閣改造を行った。

 

役職

氏名

主な経歴

商工相兼サービス担当国務相

ハーリド・ナーシル・アブドゥッラー・ロウダーン

商工相兼青年担当国務相から異動。

公共事業相兼住宅担当国務相

ジナーン・ムフシン・ハサン・ラマダーン

住宅担当国務相兼サービス担当国務相から異動。

司法相兼国会担当国務相

ファハド・ムハンマド・ムフシン・アファーシー

司法相兼ワクフ・イスラーム相から異動。

石油相兼電気・水相

ハーリド・アリー・ムハンマド・ファーデイル

新任。

社会問題相

サアド・イブラーヒーム・サアド・ハラーズ

新任。

ワクフ・イスラーム相兼地方自治相

ファハド・アリー・ザーイド・シャアラ

新任。

経済担当国務相

マルヤム・アキール・サイード・ハーシム・アキール

女性。新任。

 

評価

 

 今般の人事は、11月の洪水被害を受けて当時のルーミー公共事業相兼地方自治相が辞意を表明したことなどを踏まえたものと思われるが、異動や新任があった役職はいずれも行政サービス・経済分野を担当するもので、国防・外務・内務などの重要な役職を首長家であるサバーフ家の者が占める体制を変更するものではない。

 クウェイトでは、議会と政府との関係が安定せず、閣僚の喚問要求、議会の解散、選挙、内閣改造などが頻繁に行われる不安定な期間が続き、他のGCC諸国が経済・社会開発計画を打ち出す中、クウェイトが出遅れているとの印象も持たれた。現在の議会と政府の関係はかつてほど不安定ではないが、政策や事業の策定や、地域情勢への対応などの重要な事項に迅速に対応することが、クウェイトの議会や政府の存在意義にかかわる課題となるだろう。

(主席研究員 髙岡 豊)

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