中東かわら版

№88 シリア:内閣改造

 2018年11月26日、アサド大統領は2018年大統領令360号を発出し、以下の閣僚人事を行った。

役職

氏名

主な経歴

水資源相

フサイン・アルヌース

2002年-2004年通信省次官;2009年2月-2011年7月ダイル・ザウル県知事;2011年7月-2012年7月クナイトラ県知事;2013年2月-2014年8月-2016年7月公共事業相;2016年7月-2018年11月公共事業・住宅相;2018年11月-水資源相;2013年7月-2017年4月-バアス党地域指導部

国内通商・消費者保護相

アーティフ・ガーニム・ナダーフ

2005年6月-2009年2月イドリブ県知事;2009年2月-2012年7月タルトゥース県知事;2012年7月-2016年7月スワイダ県知事;2016年7月-2018年11月高等教育相;2018年11月-国内通商・消費者保護相;2003年-2007年人民議会議員;2017年4月-バアス党中央委員会

内相

ムハンマド・ハーリド・ラフムーン

軍人(少将)、2018年11月-内相

観光相

ムハンマド・ラーミー・ラドワーン・マルティーニー

2008年-2016年シリア観光会議所連合会長;?-?観光省次官;2018年11月-観光相

教育相

イマード・ムワッファク・アズブ

?-?人民議会議員

高等教育相

バッサーム・バシール・イブラーヒーム

1999年-2005年バアス大学都市工学部副学部長;2017年-バアス大学学長;2018年11月-高等教育相

公共事業・住宅相

スハイル・ムハンマド・アブドゥルラティーフ

?-?住宅公社総裁;2018年11月-公共事業・住宅相

通信・技術相

イヤード・ムハンマド・ハティーブ

 

工業相

ムハンマド・マアン・ザイヌッディーン・ジャズバ

 

 上記閣僚人事に加え、アサド大統領は2018年大統領法令19号で国民和解相を廃止するとともに国民和解委員を設置し、2018年大統領令361号でアリー・ハイダル国民和解相を同委員会の委員長に異動させた。また、2018年大統領令363号を発出し、2006年以来県知事を務めてきたビシュル・マージンサッバーン知事をアーディル・アンワル・アラビ-新知事と交替させた。

 

評価

 今般の閣僚人事では、教育分野や社会資本分野の閣僚が異動した。また、国民和解相が国民和解委員会に改組されるなど、復旧・復興、シリア内外の難民・避難民の帰還などの今後の課題を意識したと思われる改変があった。紛争中幾度か暗殺未遂事件に遭遇したシャアール内相が交替した点も目立つ。経済の復興だけでなく、難民・避難民の帰還や政治的和解という課題で実績を挙げることは、シリア全土への統制の回復というシリア政府の目標の達成にも影響を与えるだろう。

(主席研究員 髙岡 豊)

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