中東かわら版

№127 アルジェリア:地方議会選挙の結果(暫定)

 11月23日、アルジェリアの地方自治体議会(APC)と県議会(APW)の選挙が行われ、与党・民族解放戦線(FLN)が第一党、連立与党の民主国民連合(RND)が第二党となった。2党合わせてAPC・APWの6~7割の議席を獲得した。有権者数は2288万3772人、投票率はAPCが46.93%、APWが44.96%だった。下図に、上位7政党の結果のみを示した。

 

評価

 事前に予想されたとおり、FLNとRNDが過半数の議席を獲得する結果となった。投票率は、2017年5月に行われた総選挙時(37.09%)よりも若干高いものの、今回も40%台という低い投票率にとどまった。政府は、投票率アップのために45県で投票時間を1時間延長する策も講じていた。FLNとRNDは、選挙結果は国民がブーテフリカ政権を支持していることの証明であるとの態度を示した。

 選挙結果全体を見ると、5月の総選挙と同じく、FLN・RND支配の強さは崩れていない。FLN・RND連立与党を支持するMPAやTAJが上位に入り、イスラーム主義勢力は分裂し(MSPとナフダ・公正・建設連合)、多数の小規模な世俗的野党が存在する状況は、FLN・RND支配の継続に好都合であるといえる。

(研究員 金谷 美紗)

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