中東かわら版

№94 UAE:第3回連邦国民評議会議員選挙の実施

 10月3日、UAEにおいて第3回連邦国民評議会(FNC)議員選挙が実施され、20人の議員(うち女性1人)が新たに選出された。選挙委員会は10月4日から11日まで結果に対する異議申し立てを受け付け、最終的なリストを10月11日に発表する予定であるが、現時点において確定している今次選挙の概要は以下のとおり。

 

立候補者:330人(うち女性74人)

選挙人数:22万4279人

投票者数:7万9157人

定数:40議席(うち20議席が選挙の対象。残り20議席は各首長が任命)

任期:4年

 

評価

 建国以来UAEでは議会の議員は勅撰のみの選出であったが、2006年に議員の半数である20人を選挙によって選出することとなった。2011年に第2回選挙が行われ、今回の選挙は3回目となる。選挙権は、各首長国によって選出された選挙人に与えられることになっているが、2006年の第1回選挙では潜在的な有権者数の1~2%にすぎない6,674人しか選挙人に選ばれず、問題視された。これを受け、2011年の選挙では選挙人の数を12万9274人にまで増加したものの、投票者数は35,877人にとどまり、選挙人を分母とする投票率でも27.75%と低い水準になっていた。

 今回の選挙では、選挙人の数は22万4279人まで増加され、投票者数は79,157人にまで増えた。今回は9月28日から30日の3日間に事前投票期間が設けられ、この期間に37,633人が投票したという。しかし、投票率は依然として35.29%という低い水準にとどまっている。また、この投票率は選挙人を分母としているが、国民人口(約100万人)の75%を18歳以上として推計すると潜在的な有権者数は約75万人となり、選挙人の3倍以上になると見積もられる。

 UAE国民が選挙に無関心な態度をとる理由は複数考えられる。まず、FNCには立法権が認められておらず、政府が策定した法案を審議し、意見を表明する権限しか有していない。また、選挙の対象は議会の半数に過ぎず、国民から選出された議員が議会で過半数を形成することはない。そして、UAEでは政党の結成が認められておらず、政治団体の活動も認められていないため、政策的な論争が公的な場で起きにくくなっている。これらの状況は、FNC選挙を国家の行く末を決定付ける「国政選挙」とは言い難くしており、有権者の選挙に対する関心の低下を招いていると考えられよう。

(村上研究員)

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