中東かわら版

№17 イスラエル:ネタニヤフ第四次連立内閣合意

 5月6日夜、ネタニヤフ首相は新内閣の成立をリブリン大統領に報告した。報道では、ネタニヤフ首相が、「ユダヤの家」党のベネット党首と組閣で合意したのは組閣期限が切れる約2時間前で、大統領に報告の電話をしたのは午後11時15分だった。新内閣は5党(右派政党リクード、極右政党「ユダヤの家」、右派中道クラヌ、宗教政党シャス及び「統一トーラー・ジュダイズム」)で構成され、国会120議席中61議席を占める。「ユダヤの家」党は、3つの閣僚ポスト(教育相:ベネット党首、司法相:アイレット・シャケッド、農業相:ウリ・アリエル前建設相)及び世界シオニスト機構の入植地部門の運営権限を獲得した。クラヌのカハロン党首は財政相に就任する。ネタニヤフ首相は閣僚数を現在の18人から22人に増やす意向で、閣僚名簿が出来て国会信任を受けるのは4月13日になるようだ。

評価

 

42日間の連立協議の結果、5党の連立が決定したが最終的な閣僚リストはまだ確定していない。リクード議員による閣僚ポストの争奪戦が開始されているようだ。野党「シオニスト・ユニオン」のヘルツォグ党首は、対米関係、対パレスチナ関係、国際社会への対応ができない内閣だとして失敗内閣と論評している。イスラエルのメディアは、かつてない右派政権であり短命内閣との見方をしている。国会内での過半数を1議席しか超えない新内閣は、一つの政党が抜けても議会内少数派に陥るため議席数の上では安定内閣とはいえない。他方、一部の内政問題を除けば、外交政策などで政治的立場が近い右派・極右・宗教政党による内閣は、内部の不協和音が少ない分、安定内閣になるかもしれない。ネタニヤフ首相は、当面外相ポストを兼任する模様であるが、「シオニスト・ユニオン」のヘルツォグ党首の政権参加を見越して外相ポストを空けたとの憶測もある。ホワイトハウスは7日に新内閣の成立を歓迎するとの声明を発出したが、オバマ政権は、新内閣の政策を見て、今後の中東和平政策の見直しを考えることを明言している。右派・極右・宗教政党で構成される新内閣が、オバマ政権の期待するような中東和平政策を進める可能性はほぼゼロである。最終的な閣僚名簿はまだできていないが、内向きでイスラエルの外交的な孤立をさらに深める政権になる公算が高い。

(中島主席研究員)

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