講演会の報告

03.18 中東情勢講演会(青山弘之東京外国語大学教授、「最新世論調査と写真・映像を通して展望する「内戦」後のシリア」)

  • 講演会の報告
  • 公開日:2019/03/26

2019年3月18日(月)、AP東京丸の内「ABCルーム」にて、青山弘之東京外国語大学教授による「中東情勢講演会」を開催しました。

 

講師: 青山 弘之氏(東京外国語大学教授)

演題:「最新世論調査と写真・映像を通して展望する「内戦」後のシリア」

 講演の前半では、一部地域を除き、アサド政権あるいはクルド民族主義勢力のもとで秩序を取り戻しつつあるシリアの現状を概観した。西側主導の「まず和平、次に復興」が有名無実化する一方、アスタナ・プロセスの原則である「和平なき復興」(停戦が確認できれば復興を開始する)が既定路線化していると述べた。また、難民、国内避難民、国内人口移動について、最新の数字を用いながら説明した。さらに、青山氏が昨年撮影した動画や写真を用いて、都市部および郊外の様子を伝えた。

 講演後半では、国内避難民を対象に実施された最新の世論調査の結果をもとに、復興に向けたシリア人のニーズを紐解いた。持続性のある施設(病院、学校等)の再建を求めていること、当人たちがシリアを取り巻く経済状況をある程度理解していること、そして彼らが積極的に復興活動に関わっていく意欲を持っていることなどを説明した。また、彼らは諸外国の貢献を肌感覚で理解しており、米国やサウジを低く評価する一方、日本をある程度高く評価していると述べた。

 

(※講演内容は講師の個人的見解であり、講師の所属先の立場や見解、認識を代表するものではありません)

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