中東かわら版

№80 イラク:国会が閣僚5名を信任

 2016年8月15日、イラクの国会はアバーディー首相が提示した閣僚人事について以下の5閣僚を信任した。なお、現在のイラクの内閣では内相、貿易相が空席となっているが、貿易相はアバーディー首相が提案した候補者が信任されず、内相については候補者の提示すらされなかった。

氏名

役職

備考

アブドゥルラッザーク・イーサー

高等教育・科学技術相

 

ハサン・ジャンナービー

水資源相

 

カージム・フィンジャーン

運輸相

 

ジャッバール・ルアイビー

石油相

 

アーン・ナーフィウ・ウーシー

住宅・建設相

女性

 

評価

 現在のイラクの閣僚人事においては、アバーディー首相の政治改革方針や反政府抗議運動を主導するサドル派の主張などを踏まえ、宗派・民族毎の役職配分の見直しや「テクノクラート」内閣の組閣が目指されている。ここに、「イスラーム国」との戦闘や汚職に関連する閣僚らの責任追及問題、さらには各政治勢力の政争が影響し、閣僚の辞職や不信任が繰り返され、内閣の陣容が一向に整わない状態が常態化している。現在は、軍事予算についての汚職疑惑が政争に発展し、ジュブーリー国会議長が告発されたり、ウバイディー国防相の辞任が取り沙汰されたりしている。イラクの政界においては、政治改革、汚職対策、「テクノクラート」内閣などについて総論は一致しても、個々の人事については意見の一致が見られない状態が解消するめどが立っていない。このため、「イスラーム国」対策、財政危機、汚職対策、政治改革、連邦制や地方自治体の権限を巡る対立などの懸案解決に向けた大きな進展も当分期待できないだろう。

(髙岡上席研究員)

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