中東かわら版

№161 カタル:内閣改造・省庁再編

 1月27日、タミーム首長は首長令を発出し、内閣改造を行った。国防担当国務相、外相などのポストで異動があったほか、文化・芸術・遺産省と青年・スポーツ省、行政改革省と労働・社会問題省、運輸省と通信・情報技術省、地方自治・都市計画省と環境省が、それぞれ統合された。新たな内閣の顔ぶれは以下の通り。

 

・ハーリド・ムハンマド・アティーヤ国防担当国務相(前外相)

・ムハンマド・アブドゥルラフマーン・アール=サーニー外相(前国際協力担当副外相、王族)

・サラーフ・ガーニム・アリー文化・スポーツ相(前青年・スポーツ相)

・イーサー・サアド・ジャファーリー・ヌアイミー行政改革・労働・社会問題相(前行政改革相)

・ジャーシム・サイフ・スライティー運輸・通信相(前運輸相)

・ムハンマド・アブドゥッラー・ルマイヒー地方自治・環境相(前外交担当副外相)

・ハナーン・ムハンマド・クワーリー公衆衛生相(ハマド医療法人理事長、女性)

 

 なお、ハマド・アリー・アティーヤ国防担当国務相は、同日の別の首長令にて国防担当首長顧問(首相級)に任命された。

 

評価

 今回の内閣改造では、国防担当国務相、外相のポストで異動があった。カタルでは首長が国防相を兼務していることから、国防担当国務相は事実上の国防相ポストであり、ハーリド・アティーヤ外相の同ポストへの異動は横滑りと言えるだろう。同族のハマド・アティーヤ国防担当国務相は一線を退く形となったが、首相級という厚待遇での顧問任命となった。

 新たに外相に任命されたムハンマド国際協力担当副外相は、1980年11月生まれの若干35歳である。もっとも、カタルではタミーム首長が35歳、アブドゥッラー副首長が27歳であることを考えると、彼だけが特段若年というわけではない。ハマド前首長が存命中に息子のタミームに王位継承を行った際に強調されたように、王族内での世代交代を促進する動きとして理解できよう。

(研究員 村上 拓哉)

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